グリーンスクールの「次世代教育」は持続可能な未来を追究

ファウンダーのジョン・ハーディーがグリーンスクールを構想するにあたり、最重要視したのが”持続可能性”だ。自然環境と調和し、地元社会と共生し、必要なものは自らで賄う。使用する電力は最小限に止め、廃棄物は極力出さない。

それによって子供たちは、生きるためには何が必要なのかを学ぶ。より良い社会を作るためには、何を新たに生み出さなければならないのかを、身をもって考えることになる。

 

■究極のサスティナビリティ(1)電力

GS ソーラーパネル4

グリーンスクールで使用される電力は、100%自給自足。約80%が太陽光発電で、残りは小型タービンによる水力発電とバイオマスによって生み出される。電力で独立しているということは、政府の干渉や地域の経済諸事情などから独立していることを意味する。

この事実は非常に大きい。

なぜなら、子供たちの本当の独立心とは、物理的に独立した学校というハード面と、精神的に独立した大人たちというソフト面の両面があって初めて育まれるものであるからだ。独立心なき学校は、子供に独立心を教えることはできない。日本に独立心あふれる人物が少ないのは、日本の教育が独立していないからという単純な理由に尽きるであろう。

将来的には、もっと発電能力を高め、近隣地域にも送電していくという計画もあるという。

 

■究極のサスティナビリティ(2)食料

電力が独立できれば、次は食料だ。

グリーンスクール食事

この学校でおやつ(幼稚園だけでなく、全校生徒が10時におやつを食べる。そして学校が終わったら校内のcafeでまたおやつ。熱帯気候では適度にカロリー補給しないと体がもたない)やランチに使用される食材も、できる限り自給自足のもので賄う。ファームスタッフと混じり生徒たちも田畑を耕し、家畜の世話をし、それでも足りないものは、近隣農家から購入する。

盛り付けられる皿なども、プラスチック製品などは一切使わない。バナナなどの葉を切ったものが皿替わりで、使用後は細かく粉砕され肥料にされる。学校自慢のブラウニーケーキも自家製カカオから作られたもの。ジュースが飲みたくなったら、採れたてのココナッツジュース。ここでは自らの体を作るものは、全て自らの手を通して作り上げるのだ。

GS トイレ

しかし、それを実現することは簡単なことではない。一言に自給自足と言っても、ただ作ればいいというものではないからだ。その土地の土壌や周辺環境にできるだけ負荷をかけない繊細な農業が必要となる。

皿として使った葉や食べ残し、コンポスト・トイレで集められた糞尿などを発酵させ堆肥を作り、環境負荷が少なく栽培効果が高い特殊な方法で土壌作りをし、そこで一般的な農法の数倍もの収穫を得る。この手法は近隣農家にも教授され、バリ島で代々行われてきたそれまでの環境負荷の大きい農法から、より少ない負荷でより大きな収穫を得られるようになってきた。

 

■究極のサスティナビリティ(3)未来

独立心と地域社会との共存共栄。

これはこの学校が白人中心の独りよがりのエリート主義とは違い、多様性を尊重しながらも、あるべき未来の姿を共に模索する姿勢から生まれた真摯な結論である。内部で閉じることなく、周辺地域と対立することなく、着実にその規模を広げるグリーンスクールのコミュニティ。それは現代社会に大きな一石を投じることだろう。

そしてこれは、未来に向けた人類の力強い挑戦でもある。私たちは忘れがちだが、未来は突然やって来ない。

現在の姿だけが、未来を作るのだ。

*参考:グリーンスクール