国際援助の常識を180度覆す「コペルニク」は未踏の領域へ挑戦

それまでの”援助業界”の常識を180度覆すコペルニクの活動には、実に様々な人たちが関わっている。

従来の援助活動に付き物だった自己満足やコミュニティの閉鎖性は排除され、オープンな組織作りとより効果的な活動手法が取られている。

コペルニクの存在の第一義は、それまで援助の手が届かなかった”ラストマイル”へ確実にモノを届けること。

しかも、より多くの人々が関わることにより、より多くの未来への選択肢が広がっている。

そこには”人を巻き込む”どんな仕組みがあるのか?

人をつなぐ「寄付者~コペルニク~フェロー」

最貧困地域で何を必要と予算が決まりプロジェクトが立ち上がると、コペルニクのオンラインページ上で寄付の募集が始まり、ここに世界中から多くの人々が支援したいプロジェクトに寄付をする。

地域別寄付金額は、コペルニク誕生の地であり寄付文化が盛んなアメリカが大半を占め、次いで設立者・中村氏の出身国・日本、そして欧州などが続く。

必要な金額が集まると、いよいよモノを届ける準備だ。行き先は、船を乗り継いで数日かかるような地域も多い。現地に着いたとしても流通・道路事情が悪く、ほとんどが人海戦術で運搬される。現地団体の協力なくしては出来ない作業だ。

そしてこれを指揮するのがコペルニク・フェローと呼ばれる人々。フェローの多くは無給だが、その代え難い経験を求めて世界中からコペルニクの本部があるウブドへやって来る。本部で訓練を受けた後、プロジェクトを担当し、モノを携え現地へと向かう。

フェローの仕事はただモノを届けるだけではない。現地に滞在しながら様々なデータを収集し、トラブル対応や改善点の協議をし、さらなる新たなニーズを探す。そして現地の社会・経済情勢も調査した上で、今後のその地域でのマスタープランも作成する。

さらには、技術開発者や寄付者に対し詳細なレポートを作成。本当にやることが多い。しかしここでの経験は、その後のキャリア・人格形成に大きく寄与することだろう。

人をつなぐ「コペルニク~地元NPO」

現地に届けて販売された代金は、地元NPOが受け取ることになっている。彼らはそこから自分たちの活動費を賄い、残りはコペルニクへ還元する。還元されたお金は、また新たなプロジェクトへの資金となる。

このシステムにより、コペルニクは最貧困層だけでなく、そこで活動する団体をも育てることが可能となった。地元に密接した団体なくしては、コペルニクの活動は維持できない。

村民とのやり取り、運搬作業、メンテナンスやフィードバック・・・ フェローだけではカバーしきれない部分において、地元団体に負うところは大きい。

このようにして、コペルニクは世界中の大小様々な団体をサポートし、ネットワークを張り巡らそうとしている。

また、途上国の生活に欠かせない地元の小規模小売店網を利用し、様々なローテク・ローコスト・ハイクリエイティビティ製品を普及させようと、インドネシア各地に”TECH KIOSK”を出店。

あらゆる角度から途上国の生活レベル向上を目指している。

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コペルニクの未来

最貧困層、地元団体、フェロー、寄付者、企業・大学・研究機関など、実に多くのプレーヤーを巻き込むコペルニクの活動。それそれが何かを得、何かを次につなげてゆく。

ニコラウス・コペルニクスが唱えた地動説が、当時は異端的でも後世では当然視されているように、この仕組みもそう遠くない未来においては、当然の形になっているのかもしれない。