TEDが絶賛!海洋漂流ゴミを収集する全自動マシンを19歳が発表

海は広い。そして美しい。

地球表面積の71%を占める海は、人間という一人の小さな存在から見ると、果てしなく続く大宇宙のようだ。

海は大いなる母。海は何でも包み込む。かつてはそう考えられていた。しかし、現代では事情が違ってきてしまったようだ。

海はもはや、我々の全てを受け入れてはくれない。

オーシャン・クリーンアップ

漂流するゴミ

東日本大震災の津波の後に、大量のがれきが太平洋に流出したことは記憶に新しい。それらは長い時間をかけ、アメリカ大陸西海岸まで到達した。

しかし人々の目に留まるものは、ほんの一部にしか過ぎない。多くは沈んだり、いまだに太平洋を漂流していたり・・・。いや、それは津波より遥か以前に始まっていた。太平洋上には昔から膨大なゴミが漂流しているのだ。

海というのは大小さまざまな海流の集まりからできている。長い時間で見るとそれは少しづつ変化しているのだが、人間の日常的尺度で見ると流れはほぼ一定だ。

だから、漂流するゴミが流れ着かないような場所には皆が行きたがる。そこはリゾートとかパラダイスと呼ばれ始めるだろう。

一方そうでないところも生まれる。潮の流れの関係で常時ゴミが流れ着くような場所だ。そんなところには誰も行きたがらないし住みたくもない。だから誰の目にも留まらない。例え誰かが住んでいたとしても、彼らの声はどこにも届くことはない。

かくして、漂流ゴミは長らく存在しながらも大きく取り上げられることはなく、決して人々の関心を集めることはなかった。

オランダで一人の少年が立ち上がるまでは。

オーシャン・クリーンアップ立ち上がる

Boyan Slatの挑戦

ボヤン・スラットがギリシャの海でダイビングに興じていたのは中学生の時。そこで彼は衝撃を受けた。海の美しさに、ではない。魚より漂うプラスチックバッグの数の方が多かったのだ。

それ以後彼は「どうしてそうなるのか?」「どうやったらそれを解決できるのか?」を考え続けた。この問題を解決するのに必要だと思われる分野をひたすら勉強し続けた。そして2012年、高校生になった彼が世界へ向けて発表したアイデアが注目を集めることとなる。

オランダ、いや欧州トップクラスの工科大学Delftで行われたTEDxDelft 2012において、ボヤンが提案した「The Ocean Cleanup Array」は多くの人々に衝撃を与えた。海洋上で漂流ゴミを全自動で回収しようという試みだ。

瞬く間に協力者と寄付金が世界中から集まりプロジェクトはスタート。だが、海は甘くない。海は日々刻々とその表情を変える。試行錯誤の日々が続いた。

ついに始まったオーシャン・クリーンアップ

Delft大学へ進んだボヤンとその賛同者たちは、大学や大企業・大手NPOなど、より大きなバックアップを受けてプロジェクトを進化させた。そして2014年6月、ついに初めての洋上全自動ゴミ収集マシンを発表。

ボヤン・スラット、19歳。まだまだ進化を続ける若い才能は、未来へ向かって着実に歩を進めている。

突如現れた21世紀のフライング・ダッチマンは、大海原という無限のフィールドで、どんな奇跡をみせてくれるのだろうか。

*参照・写真:The OCEAN CLEANUP