生活費はクラウドファンディングで!級友を助けるバリの高校生

インドネシア・バリ島にあるグリーンスクール(以下GS)。自然環境や地域社会との共生を目指し、サステナビリティを追求する教育哲学。そんな究極のエコロジカル・スクールとして世界的に有名なこの学校には、もう一つの顔がある。

それは、若きアントレプレナーを育むゆりかごの地としての顔だ。

グリーンスクール

卒業生の身に起こった問題

2013年6月に迎えた、GSの記念すべき第一回目の高校卒業式。ゲストスピーカーはノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア元米国副大統領。世界の注目を浴びながら、若きグリーン・エージェントたちは意気揚々とバリ島を後にした。

いや、するはずだった。

卒業生の幾人かは、欧米の大学で授業料全額支給の最高クラスの奨学金を得ていたのだが、現地での生活にかかる初期費用や、それ以前の渡航費さえも工面できなかったのだ。

GSでは、全校生徒に対し約15%のインドネシア人生徒が学んでいる。一般的なインドネシア人家庭の平均月収は2万円程度なので、とてもじゃないが欧米人を親に持つ子供たちが多いこの学校には入学できない。そこで、GSは才能や熱意のあるインドネシアの子供たちを選抜し奨学金を与え、富裕層の子供ばかりにならないように配慮している。

だが、問題は卒業後だ。せっかく志望する大学の奨学金を得たのにもかかわらず、彼らの親の所得では、渡航費すら賄えない。働いて稼ぐにしても、欧米での生活にかかる金額を物価の安いバリ島で稼ぐのは至難の技。現地へ渡ったとしてもアルバイトの日々が待っていて、高い成績を求められる奨学生にとっては非常に重い足枷となる。

彼らの溢れんばかりの才能と情熱を、こんなことで浪費していいのだろうか?

立ち上がった高校生たち

そんな先輩たちを姿を見て、後輩たちは考えた。このままでは毎年同じことが繰り返されるだろう。では、どうしたらいいのか?彼らが考え出したアイデアは、こうだ。

「まず最初は世界中の人たちに応援してもらおう。僕らの才能溢れるクラスメイトたちなら、それをどんどん大きくしていけるはずだ。」

グリーンスクールのクラウドファンディング

クラウドファンディングで世界各地からサポーターを募集し、そこで集まったお金を元に毎年数人に生活費を支給する。そして就職して稼ぎ始めたら5%の利子を付け返済してもらう。僕らの友人なら、きっと”いい仕事”をするはずだ。焦げ付くことはないだろう。

これを”高校生の甘い夢物語”のひと言で片付けるのは簡単だ。しかし、ここはグリーンスクール。彼らの行動力と夢の拡散力、そして共感の磁場を発生させる力は世界トップレベル。今までも不可能と思われてきたことを次々と実現してきた彼らなら、きっとやってくれるはずだ。

*参照:Life After Green School Grant | Indiegogo