トヨタがカーシェア実験で次世代の都市型交通スタイルを模索する

フランス南東部のグルノーブル市で行われる超小型電気自動車によるカーシェアリング実証実験「Ha:moプロジェクト(Harmonious Mobility Network)」に、トヨタ自動車の参加が発表された。

トヨタ自動車は同実験のために、小型電気自動車の「i-ROAD」と「COMS」を合計70台提供する。

この試験は、2014年10月から開始され、3年間の検証を行う計画だ。

i-ROADとCOMS

この実験には、トヨタ自動車の他にも、フランス電力公社(EDF)やカーシェアリング会社のシテ・リブ社(Citelib)が協力する。

このうちEDFは、市内のトラム(路面電車)の停留所付近30箇所に充電ステーションを配置する。そのことで電気自動車と公共交通機関の連携を円滑にすることを狙う。

グルノーブル市の革新的取り組み

グルノーブル市は1968年第10回冬季オリンピックが開催されたことで知られているが、北西部には原子力・代替エネルギー庁(CEA)を代表とする研究機関が集まっている革新的な市でもある。

また、同市は6万人以上の大学生が通学するキャンパスを持つ学園都市の顔も持っている。

2013年には、イノベーションの中心都市であり学術研究の都市であるという共通する特色を持つとして、グルノーブル市とつくば市は姉妹都市協定を締結した。

このような先進的な顔を持つグルノーブル市は、環境に配慮した都市を目指して公共交通機関の普及を目指し、1987年以来、前述の「トラム」と呼ばれる路面電車を次々と開通させ、今では7800万人が利用していると言われている。

また、総距離320km以上になる自転車専用道路も整備され、約5000台のレンタル自転車が有効活用される環境が用意されている。

トヨタが送り込む電気自動車

このような場所で行われる電気自動車のカーシェアリング実証実験にトヨタ自動車が提供する電気自動車は、1人乗り4輪車の「COMS」と2人乗り3輪車の「i-ROAD」だ。

特にi-ROADは2輪車の様な操作性と4輪車の安定性を備えた新しい感覚の乗り物で、特筆すべきはそのコンパクトさだ。普通自動車1台分の駐車スペースに4台駐車可能だという。

このカーシェアリングを利用するには、スマートフォンのアプリで予約して先に料金を支払っておき、公共交通機関の駅に設置された充電ステーションのシステムにスマートフォンをかざせば、超小型電気自動車のロックが解除される。

スマートフォンのアプリは公共交通機関を含む経路検索システム「Station Mobile」と連携しているため、事前に渋滞状況や最適なルートを確認することができる。

利用した電気自動車は、目的地近くの充電ステーションに乗り捨てることが可能だ。

Ha:mo_概念図

自動車とスマートシティ

実はグルノーブル市でのHa:moプロジェクトは、トヨタ自動車にとっては愛知県豊田市に次ぐ2件目となる。このプロジェクトでは、公共交通機関と車を最適に組み合わせて利用できるシステムを構築することで、環境負荷を軽減しようという試みだ。

公共交通機関の利用が増えてきているグルノーブル市での実証実験も、将来のスマートシティー(環境配慮型都市)へのステップとして期待されており、交通渋滞の緩和や大気環境の改善が見込まれている。

今後、このようなスマートシティーへの取り組みは、様々な都市部で試みられるようになるのだろう。

*画像:TOYOTA Global NewsroomHa:mo フランス グルノーブル実証実験