学校ハイキングは「週1を3年間」環境先進国ドイツの教育事例3つ

切り株に座り、鳥のさえずりを聞きながら落ち葉に寝転がる子供たち。

それが、環境先進国ドイツの学校風景だ。

ドイツの環境教育は校舎づくりから始まっている。地元の天然石を利用した校舎、必要以上手を加えず建設された森の中の学校など、自然と融合する学校が数多く見られる。その中で子供たちは自然に親しみ肌で感じ取り、自然の雄大さ、大切さを学んでいく。

環境教育

エネルギー効率学校2014

ドイツ連邦経済エネルギー省は、優れたエネルギー効率を達成した校舎を「エネルギー効率学校2014」として表彰した。少ないエネルギーでこれまでと同様な効果を生むことが重要で、それがエネルギー効率を上げるということだ。賞には賞金もあり、賞金総額は10万ユーロだ。

次に、環境教育に大きな視点を置いているドイツが積極的に実施しているのが、学校における様々な環境コンテストの開催だ。学校という子供たちに最も身近な場所でコンテストが開催されることは、それだけで、若者が中心となり環境問題を考え未来に繋がっていく。自然と知識も豊富になり、母校を誇りに思い大切にする心が生まれる。そしてそんな思いがまた、次世代へと引き継がれていく。

省エネルギーマイスター2014

優良な気候保護プロジェクトを実施する学校を表彰する学校コンテスト「省エネルギーマイスター2014」もその一つで、5月に勝者が公表された。

ドイツ全国で240校が参加し、16校のみが勝者として選ばれている。

このようにドイツでは気候・環境保護に貢献しながらドイツ内での競争意識を高められる、コンテストという形で環境教育へ投資し、活気づけている。

そしてドイツの環境教育を更に活気づけるプロジェクトがもう一つ。

学校ハイキング

ドイツ連邦環境省は、自然でのハイキングを学校プログラムに取り入れるプロジェクト「学校ハイキング」の実施を公表した。このプロジェクトは小学校3校において3年間実施され、生徒は一週間のうちの一日を野外で過ごす。子供たちや教師の生物多様性への関心を高めることが目的だ。

日本での野外学習と言えば、年に数回のイベントとして実施され、当日に向けて事前学習を行うというスタイルが一般的。そして学ぶことは集団行動、仲間との助け合いなど他者とのコミュニケーションが主で、生物多様性を学ぶことは言わばオマケのようなものだ。

しかし一週間に一度というサイクルならば、それは特別なイベントではなく日常となり、自然に親しむことが生活の一部となる。自然に関する本を読んで頭で理解するのではなく、実際に触れて理解することができる。

見る・触る・聞く・匂いを嗅ぐ・味わう。

自然の全てを子供たち自身が五感を使って体感し、環境を守ることの大切さを学べるのだ。

環境教育

ドイツも日本と同じように、少子高齢化が進んでいる。人口の年齢別構成比が日本と瓜二つなのだ。日本と同じ条件下の中ドイツでは、そう遠くはない未来を見据えた環境教育に取り組んでいる。

現代の日本では、自然に触れることが特別なことと捉えられている。それは子供だけでなく大人も同じだ。

まずはその意識を外し、少しでも多く自然に触れ、楽しむことが日本の環境教育の未来へとつながるのではないだろうか。