どうして日本人はシリコンバレー的な発想ができないのか?

シリコンバレー。

アメリカ西海岸、カリフォルニア州北部のサンフランシスコ市とサンノゼ市の中間エリアが、そう呼ばれている。

筆者は定常的に、シリコンバレーでの取材を続けている。特に最近では、グーグルとアップルがスマートフォンと車載器との連携、さらには車載器OS(オペレーティング・システム)への関与を本格的に検討しているため、シリコンバレーでIT業界関係者と接触する回数が増えている。

そうしたなかで、痛感する。「どうして日本人はシリコンバレー的な発想ができないのか?」と。

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「カイゼン」vs「イノベーション」

日本国内でも筆者は、多種多様な企業、中央官庁、地方自治体などの関係者と取材及び意見交換をしている。そのなかでも「日本人はどうしてシリコンバレー的発想ができないのか?」と、強く感じる。

シリコンバレー的発想とは、端的に言えば「イノベーション(発明)」だ。

発明と聞くと日本人は、トーマス・エジソンやスティーブ・ジョブスのようなカリスマを連想する。だが、シリコンバレーを拠点とする米ベンチャー企業における発明は、社員一人ひとりの発想が起源である。

それを証明するのが、例えばグーグルが毎年行なっているデベロッパーズミーティングの「I/O」。同社ウエブサイトでは、「I/O」関連のプレゼンショーションが100件近くアップされているが、そこに登場するマネージャークラスの人たちの意識は、「1社員としての日常業務」ではない。

「自分自身で発想した、世の中を大きく変える発明」という、信念がある。

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対する日本では、社内で「発明」などと軽々しく口にすれば、「出る釘は打たれる」ことになる。これは筆者の私感ではなく、日本の大企業、中小企業、そしてベンチャー企業の経営者、経営陣、技術開発者の多くが異口同音に主張していることである。

結局、日本企業が行なうのは「カイゼン(改善)」だ。

トヨタの製造技術の手法として世界に広まった「カイゼン(改善)」。欧米では「KAIZEN」と英語表記されるほど、企業のあいだでは認知度が高い。根っから生真面目な日本人には、コツコツと積み上げていく「カイゼン」が似合っている。

常識をブチ壊すという「イノベーション(発明)」は、そもそも日本人の不得意分野なのだろうか?

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最重要課題は「現状認識」

では、日本人の物事に対する発想は、どうすれば「カイゼン」から「イノベーション」へと変革できるのか?

ここでキーファクターとなるのは、徹底した「現状認識」だ。筆者と関係者とのあいだでのコンフィデンシャル(情報機密における取り決め)な要素が多いため、事例の詳細を紹介することは不可能だが・・・。とにかく、「現状認識」についてが甘いケースが目立つのだ。

企業においても、一般生活においても、カルチャーがガラパゴス化している日本。

日本人の多くが、世界における「日本の立ち位置」と「日本人の立ち位置」を理解できていない。「イノベーション」を起こすにはまず、企業も個人も「自分自身を知ること」から始めるしかないと思う。

個々の「意識変革」が「イノベーション」へ道を切り拓くはずだ。