脳と脳をインターネットで接続しテレパシーをする実験が成功

米ハーバード大学の専門からを中心にスペインやフランスの専門家らも参加している研究グループが、インドとフランスにいる者同士が、心で思ったことを言葉や文字、あるいはジェスチャーなどを使わずに直接伝える実験に成功した。

脳が通信

この実験で、どんなに離れた相手とでも、最新技術を利用すれば脳から脳への情報伝達が可能であることが示されたことになる。

これは科学がテレパシーを実現しようとしているということなのだろうか。

脳と脳がインターネットで繋がる?

この実験の論文を共同執筆した一人である理論物理学者のジュリオ・ルッフィーニ(Giulio Ruffini)氏は、自分たちは電磁波で脳と情報をやりとりする技術を使っており、決して魔法ではなく、テレパシーの技術的な実現なのだ、と語っている。

脳から脳への通信方法

この実験の被験者は28歳から50歳の4名で、被験者にはEEGヘッドセット(electroencephalography)という脳波記録用の装置を装着させた。

インド南部の都市ティルヴァナンタプラムの被験者がスペイン語の「こんにちは(Hola)」やイタリア語の「こんにちわ」あるいは「さよなら(いずれもCiao)」を思い浮かべると、その際の脳波が測定されて、符号化されたデータに変換された。

そのデータがインターネット経由でフランス北東部のストラスブールに送信されると、符号化されたデータが復元され、被験者の頭に取り付けられた電極から微弱な電流として刺激が与えられ、脳に直接送信されたという。

送信者と受信者

すると受信した被験者は、目に微弱な光を感じた。つまり、周辺視野で点滅する光を見たということらしい。挨拶の声が聞こえたという被験者もいたという。

被験者のMRI画像上のホットスポット

テレパシーを科学で実現する

以上の様に、脳から脳へ何らかの情報が直接伝えられたことは確かなようだが、この分野ではまだ分からないことが多い。ただ、今回の実験方法が研究のためには有効であるという手応えを得られたようだ。

ルッフィーニ氏は今回の実験がまだ初期段階であると述べながらも、この研究が人々のコミュニケーション方法を劇的に変えるかもしれない、という期待をもっていると語っている。

同時に、この研究の進歩に合わせて、倫理上の議論も起きそうだ。脳に直接情報を伝達する技術は、マインドコントロールなどへの応用の可能性もあるからだ。

この研究が人類にとって明るい未来をもたらすのか、悪夢をもたらすのか、注目したいところだ。

*画像出典:PLOS ONE: Conscious Brain-to-Brain Communication in Humans Using Non-Invasive Technologies