「Less is more」米国で広がるタイニーハウス・ムーブメントとは

アメリカの家の平均的な大きさは2,800 square feet、つまり約260㎡だという。一般的に家も車も冷蔵庫もゆったり大きなものを好む米国で、10~40㎡という超コンパクトな「タイニーハウス」がムーブメントになっている。

TinyHouse

米国で拡大しているタイニーハウスは、小さなスペースに寝室もキッチンもシャワールームもコンパクトにまとまり、トレーラーのシャージに載っていて移動できるものがほとんどだ。造りはシンプルながらしっかりしていて、中にはソーラーが装備されているものもある。北米地域ではここ10年間で2,600以上のタイニーハウスが作られているという。

しかし、何故こんな小さな小屋のような家が米国で広がっているのだろうか。

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ほとんどのアメリカ人は収入の1/2~1/3を住居のために使い、30年以上のローンを組んでいるという。そして大きな家はエネルギーも資材も使い、環境負荷も大きい。2004年のサブプライムローンの破たんなどを契機に、大きな家を無理して購入し、ローンを払い続けることに疑問を呈する人が増えた。何か他の選択肢はないのだろうか?そんな疑問を感じた人達が考えた別な選択肢がタイニーハウスである。

自分の家をダウンサイジングし「小さく暮らす」ことで経済的にも時間的にも余裕をもち、何かにしばられず自由に暮らす。生活をシンプルにすることで、逆に得られるものがたくさんあることに気付いたのだ。

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そんなムーブメントのパイオニアのひとり Dee Williamsさんは「身の回りをシンプルにすることで、周りとのつながりが広がった」と話す。余計なものを手放したことで、時間も人や自然とのかかわりも得られるものが豊かになったのである。

「Less is more」という言葉が米国で注目されているように、今までの大量消費の暮らしを見直す、さまざまなムーブメントが起きてきているようだ。

日本初のタイニーハウスワークショップも開催

さて、このタイニーハウスだが、自分で作る(セルフビルドする)こともできるのが大きな魅力となっている。タイニーハウスは2009年に発売されたJay Shafer氏の「THE SMALL HOUSE BOOK」の本がきっつかけとなり広まったが、この本にも細かくセルフビルドの方法が提示されている。

今では、さまざまなタイニーハウスの図面が販売されており、それを購入してハーフビルドすることもできるし、自分ですべて作ることもできる。

図面

そして、タイニーハウスを実際に作ってみたいという人のためのワークショップが今年10月から日本で初めて予定されている。

企画したのは、ツリーハウスビルダーでもある竹内友一さん。全国各地でツリーハウスを作る中で、移動式の住居があったらいいなと考えた時に出会ったのが米国のタイニーハウスだったという。

セミナーには、前述のDee Williamsさんをはじめ、パーマカルチャーデザイナーとして国内外で活動する四井真治さん、数多くの太陽光発電のワークショップや市民発電所の建設などに取り組んでいる小田嶋電哲さんなど、建築だけでなく、サステイナブルな暮らし方を追求する旬な講師陣が揃う。

竹内さんが作ったタイニーハウス

場所は富士山をのぞむ山中湖のほとりで、6回の週末を使ったワークショップにより実際のタイニーハウスを参加者と作るという。

「小さく暮らすことでは米国より先進国の日本では、タイニーハウスでもいろいろな進化形が創れるはず」と主催する竹内さんは話す。

また、「コンポストトイレやソーラーなどを装備して、オフグリッドにすれば、災害時にも活用度の高い拠点となるのでは」と竹内さんは災害時などのタイニーハウスの活用法の広がりにも期待する。もちろん、別荘や庭の隠れ家、店舗など活用法はその人次第だ。トレーラ・ハウスとして車両として移動することも検討されている。

価格も、セルフビルド方式で250~300万円ほどなのでは(竹内さん談)ということなので、週末にコツコツと自分だけの隠れ家を作りたいという人にも魅力的だ。

日本初のタイニーハウスワークショップをきっかけに、日本版タイニーハウス・ムーブメントが始まるかどうか楽しみだ。

タイニーハウスワークショップ詳細及び申し込み

*写真提供:TREE HEADS & CO.竹内友一& Portland Alternative Dwellings(PAD)