何の役に立つの?MIT開発「柔らかロボット」の動きが奇妙すぎる

あらためて考えてみると、虫や魚も含めて、自然界にはずいぶんいろいろな動きかたをする動物がいるものだ。

そしてそれぞれの動物はやはりそれぞれの生態に適した形や動きかたになっているのだろう。ならば、用途に応じてさまざまな形や動きをするロボットを作れば、やはり有用なものになるのかもしれない。

ここ数年、マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューター・サイエンス・アンド・アーティフィシャル・インテリジェンス(CSAIL)研究室は、生物学にヒントを得たロボットを開発してきた。ハヤブサのように飛んだり、ハトのように木にとまったり、メカジキのように泳ぐようなロボットである。

そのチームが、今度はユニークな柔らかいロボットアームを発表した。タコの触手にヒントを得たものだ。この触手は、操縦することなしに込み入ったパイプのような通路を進むことができる。

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狭く、入り組んだところにも強い素材

このロボットの最大の特徴は、「柔らかい」ことだ。これまで「ソフトだ」といわれていたロボットも、どこかには硬い部分があったという。しかし、このロボットアームに使われている素材は完全にシリコンゴムだけで、100%ソフトなロボットだという。

一般的な「硬い」ロボットは、その固定された接合部のつくりのせいで動きが制限されるし、周囲のものにぶつかって傷つけるようなことを避けたいと思えば、非常に精密なプログラムが必要になる。しかし、容易に変形することができるような柔らかい素材のロボットであれば、少々狭いところにもねじこんで行けるし、すみやかに向きを変えることもできる。その動きは非常にユニークだ。

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外科手術などに活用できそう

CSAILのチームは、様々な動きができるように、このロボットアームのボディを屈曲させるアルゴリズムを開発した。また、このロボットアームはあまりに柔らかすぎて、通常のモーターのシャフトなどは取り付けられないので、アームの両サイドに空気によって膨らむ通路を設け、そこに空気圧をかけることでアームが曲がるようになっている。

このロボットアームの次のバージョンは、先端になにかをつかむことができる指を装備する予定だ。いずれ、デリケートな標本を扱ったり、外科手術に使われるようになりそうだ。

私事だが、数年前に大腸の内視鏡検査を受けた。まぁ、それほどつらいものでもないが、腸が大きく曲がる箇所では、多少痛みを感じた。もっとソフトで柔軟な内視鏡ができれば、内視鏡を使った検査や治療も、もっと苦痛が減るかもしれない。今後の進展に期待したい。

*出典:MIT News - Will tomorrow’s robots move like snakes? –