Audiの革新的ヘッドランプはル・マン戦から生み出される

創業以来「Vorsprung durch Technik(技術による先進)」をテーマに掲げ、時代に先駆ける先進的なクルマを生み出して来たAudi。

同社はこれまでヘッドランプにも数々の先進技術を注ぎ込んでいる。

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例えば昨秋デビューしたAudiのフラッグシップモデル「A8」にはロービームだけで無く、ハイビームを点灯したまま走行可能な「マトリックスLEDヘッドランプ」を搭載。

ロービーム用のLEDと25個の小型LEDからなるハイビームユニットで構成されており、フロントウインドシールドガラス上部の車載カメラでセンシングを行い、走行シーンに合わせてハイビーム用LEDを個別に点消灯することで対向車や先行車を眩惑することなく、広範囲に渡って路面を照射する。

コンピュータ制御により、最大8台の対向車や前走車両を照射範囲から除外できる優れ物だ。

「マトリックスLEDヘッドランプ」の照射パターンは実に10億通り!

MMIナビゲーションの予測経路データに基づいて、コーナーなどで操舵する直前にヘッドランプの光軸を予め進行方向に向けるコーナリングランプ機能を備えると共に、カメラからの情報を画像解析することで光線を集束、ドライバーに歩行者を視認させやすくする機能も備えている。

一方、今年の6月、ル・マン24H耐久レースで覇者となった「Audi R18 e-tron」には「マトリックスLEDヘッドランプ」に加えて「レーザーハイビーム」が搭載された。

4つのハイパワーレーザーダイオードからなるレーザーモジュールがLEDヘッドライトの2倍の範囲で光を照射、450nm(ナノメートル)波長の青いレーザービームを蛍光体コンバーターにより、路面照射に適した色温度5,500ケルビンの白色灯に変換。

WEC - 6h Spa 2012

LEDハイビームを補完し、遠方視認性と安全性を大きく向上するもので、Audiはこうした革新的なヘッドランプをル・マン24H耐久レース出場車両に搭載し、夜間の高速走行下での視認性検証を経て量産モデルにフィードバックしているのだ。

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夜間走行時の安全性には「遠方視認性」が重要

Audiの開発研究担当取締役Prof. Dr. ウルリッヒ ハッケンベルクは「最大の照射範囲を得ることはドライバーにとって大きなアドバンテージになり、特に夜間のドライブにおいて重要」と語っている。

この「レーザーハイビーム」は先頃限定発売された「R8 LMX」に早速フィードバックされている。

5.2L V10エンジンにより、最高出力570hp、最高速度320km/h、0-100km/h加速3.4秒を誇るマシンだけにヘッドランプもそれに相応しいものとなっている。

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一般的に「機能を追求すると自ずと美しくなる」とされているが、Audiが生み出す革新的なへッドランプにはまさにそれが当てはまりそうだ。

*参考:Audi