3ヶ月後の未来へ「エボラ出血熱」対策ロボットも登場

エボラ出血熱。

全世界中でアウトブレイクの兆しを見せている伝染病は感染力が強い上致死率が高く、恐怖の対象となっている。各医療機関、政府が対応、封じ込めを行っているが、その感染者数は増加する一方だ。医療従事者が白旗をあげる中、ロボットを利用した新たな取り組みが模索されている。

エボラ出血熱

エボラ出血熱の現状

世界保健機関(WHO)が10月22日に発表した統計によるとエボラ出血熱による死者は約4,900人、感染者は約1万人に達した。

主な発生場所は西アフリカであるが、エボラ患者と接触した看護師の感染がスペイン、アメリカで確認されるなど、世界中に広まる気配がある(参考:エボラ患者と接触の全渡航者を強制隔離 NY州など:日本経済新聞)。

一方日本では現在のところ患者は確認されていないが、緊張感が高まっている(参考:エボラ出血熱に関するQ&A|厚生労働省 )。

ワクチンの開発、安定供給へ

この背景を受けて、ワクチンの開発、用意が急速に進められている。富士フイルムのグループ会社が開発したワクチン「アビガン」はスペインで患者に投与、快方に向かっているというという。

またワクチンの大量調達に向けての動きを受け、富士フイルムは受託製造会社を買収して安定的にワクチンを製造、供給する予定だ(参考:富士フイルムが米ワクチン受託製造会社を買収、エボラにも対応 | ビジネスニュース | Reuters )。

感染を防ぐてだて

しかしワクチンはあくまでも発症した患者に対して使用するものであり、もともとの感染を防ぐものではない。感染力の高さから家族友人だけではなく、治療にあたる医療従事者への感染が目立っており、この感染を防ぐ手立てが必要とされている。

エボラ 防護服

ロボットの活用

医療従事者が感染する理由は、患者の使った病室やベッドからと言われている。

エボラ出血熱は感染者の咳やくしゃみでは感染しないが、体液、分泌物、吐瀉物、排泄物といったもので感染するためである。通常病室やベッドは念入りに消毒するが、防護が不十分だったために消毒過程で感染したり、消毒が不十分だったが故に感染してしまうケースが考えられる。

エボラと戦うロボット

ここでロボットの出番である。消毒薬を散布する、UVライトを一定時間以上照射して完全に滅菌する、といった作業であれば、ロボットは単純な構成で構わない。なにも二足歩行やロボットハンドで繊細な動きをする必要はないのだ。もちろん音声認識や人工知能も不要だ。

とにかく今求められているのは、現在あるロボット技術ですぐにでも感染の脅威を遠ざけることである。数年後の未来に実用化されるリアルロボットではなく、明日からでも活用できる消毒ロボットが求められている。

このような考えから、ホワイトハウスに協力しているテキサス A&M 大学の CRASAR(Center for Robot-Assisted Search and Rescure)などのグループがワークショップを開き、今あるロボット技術で何ができるかを検討した。

実際に検討すると、様々な問題が浮かび上がってきた。重くてかさばるロボットをどうやって現場に運ぶのか、メンテナンスはどうするのか、足場の悪い場所、特に雨季にできるぬかるみで移動できるのか、その他悪天候や災害時の対応など。

しかしながら専用のロボットを数年かけて設計している暇はない、エボラとの戦いは時間との戦いでもあるからだ。そのため、現在ある技術を再利用して対応するほかない。

もう一つの課題は埋葬である。亡骸を埋葬するのに家族が接触して感染するケースもあとを絶たないが、主に発生しているのは西アフリカである。言葉や文化の問題からロボット利用に対する理解が得られるよう、運用面でのサポートも必要である。

こうしている間もエボラ出血熱の感染は広まっている。3か月後世界はどうなっているのか、そしてロボット利用が救世主となるのか、その時を待たねばならない。

*参考:Real Robots to Help Fight Ebola – IEEE Spectrum