2015年の「電気業界」で気になる動き5選

関西電力が家庭用商用電力の値上げを申請するなど、負の話題が増えがちな電気業界。しかし、2016年に始まる家庭用商用電力の自由化を見据えると、あながち負の話題ばかりでもないと思われる。そこで今回は、特に気になる2015年の5つの動きを紹介する。

2015年の「電気業界」で気になる動き5選

1:街路灯のLED化が本格的に進む

道路を照らす街路灯は水銀灯やナトリウム灯など様々な形態があるが、家庭の周りの路地などに設置されている一番身近なタイプは、蛍光灯式が主流であった。

この蛍光灯式が寿命などでリプレイスされる際に、全てLED式に変更するという市区町村が増えてきたのである。東京でいえば中野区は2014年初頭に、区で管理する蛍光灯式街路灯を全てLED式に変更している。

消費電力の低減もさることながら、LED式の方が蛍光灯式よりも白色度が高く、照らす面積も照度も大きくなることから、防犯も含めた利便性が非常に高いものとなるのだ。

2:家庭用燃料電池の普及加速

トヨタの燃料電池車「MIRAI」の影響からか、最近急速に問い合わせが増えているという家庭用燃料電池。

自動車の燃料電池と違って、こちらは家庭に送られるガスなどを改質して水素を取り出すので、水素スタンドのお世話になる必要がない。

家庭用燃料電池の電気を単独で使うには設置などのコストが高いかもしれないが、商用電力や太陽電池と組み合わせることによって、効率よく光熱費を抑えることができる。

3:電力自由化を見据えて様々なビジネスが生まれる

2016年度から家庭用商用電力が自由化される。発電事業者を電気料金で選ぶか発電方式で選ぶか、ユーザーが選べるようになる。

受電容量50KVA以上の大口需要家向けにはすでに自由化は始まっており、集合住宅などでは変電設備を新設して大口需要家として電力会社と契約し、各家庭には小口に分配してコストを抑えるという集中分配型の受電方法も生まれている。

これら集中分配型をはじめとした電力の販売方法など、自由化をキーワードに2015年は様々な電力ビジネスが生まれてくることだろう。

 4:各省庁はいよいよ廃炉に本腰を入れるか?

電力自由化の際に価格競争となった場合、既存の電力会社はすでに持っている原子力発電所の廃炉費用の積み立てに資産を回すことが困難になるおそれがある。

朝日新聞などの報道によると、これらの廃炉費用の積み立てに対して、経済産業省は電力自由化後の電気料金に廃炉費用を一律で上乗せするという。

これを負と取ればそれまでだが、ここまで明確に廃炉に言及した費用徴収を明言するということは、原子力発電所の廃炉に対して前進したとも捉えられる。経済産業省や電力会社だけではなく、文部科学省や大学など官民学が一体となった取り組みに期待したい。

 5:実は一番の脱原発かもしれない東京電力

「原発事故の賠償問題や廃炉費用を国に肩代わりしてもらったから」といった評論も飛び交うなか、2015年3月期にも黒字の予想が立っている東京電力。

原子力発電所が全く稼動していない状況で、火力の燃料費増加のために震災直後には電気料金の値上げを行ってはいるが、2013年、2014年は値上げを行っておらず、原発なしでも充分に通常業務としての利益が確保できる企業となっている。

また、鹿島や川崎に新設の発電所を建設しているが、この発電所はコンバインドサイクルといって、ガスタービン発電機をメインに、ガスタービンから発する廃熱を熱源に蒸気タービンも回している。これにより熱効率は実に60%近くになるもので、原発の熱効率の40%前後を凌駕する。

燃料費も、アメリカやロシアの天然ガスが国内に入ってくれば概ね半分のコストとなる見込みであるため、コンバインドサイクル式発電所にはいっそうの期待がかかる。ただし、シェールガスの投資に関しては、我が国ではいまだ成功を見ていないのも現実的課題として残されている。