バリスタも失業?「コーヒー」を嗅ぎ分けるシステムが開発される

バリスタも失業?「コーヒー」を嗅ぎ分けるシステムが開発される

人間でいうところの“見る・聴く・(肌で)感じる”といった感覚に置き換わるセンサーは、私たちの身近なところでも実際によく使われている。

しかし、“香りを嗅ぎ分ける”といわれると、ちょっと意表を突かれた気がしないだろうか。東京都にある東京慈恵会医科大学の研究グループが、なんと“コーヒーの香り”を嗅ぎ分ける電子嗅覚システムの開発に成功したそうだ。

 

もっとも難しいとされるコーヒーの香りを嗅ぎ分けるシステム

同研究グループによると、600以上の複雑な要素をもつコーヒーの香りは、食品のなかでももっとも“嗅ぎ分ける”ことが難しい香りだとされているそうだ。

そこで、“ル・ネ・デュ・ヴァン”と呼ばれる、ワインの香りの構成要素をまとめたキットを応用し、コーヒーの香りを体系的に表現してみようと試みた。

研究の結果、目論みは見事に的中。コーヒーの香りをワインの香りの構成要素で表現することに成功したそうだ。例えば、缶コーヒーとドリップコーヒーを比べてみると、ドリップコーヒーは缶コーヒーよりも“松と蜂蜜”の香りに似ていることがわかったそうだ。

 

嗅覚は味覚と並んで計測が難しい

補聴器や人工皮膚など医療の分野で活躍しているセンサーやサポート機器は長年研究されてきたが、日本電機計測器工業会によると、匂いの計測法は人の五感に対するもののなかでもっとも遅れているそうだ。

視覚・聴覚・触覚は、光・音・圧力などの物理量で計測するのに対し、嗅覚(そして味覚)は、細胞が化学物質を受容・認識する“化学感覚”であり、さらに対象となる物質の種類が無限に近く、計測に使われる物質の濃度も低いのが理由となる。

しかし、意外にも私たちの身近なところで実用化されている嗅覚デバイスもある。例えばスマートフォンに接続して使う『PERES』。

食材が発するガスを嗅ぎ分ける電子嗅覚センサーで、温度や湿度センサーも備えており、食べ物に近づけることにより「食べても平気か?」を教えてくれるそうだ。

先ほどご紹介したコーヒーの研究もまだまだ改善の余地があるそうだが、近い将来は“匂い”センサーを取り付けた冷蔵庫などが登場し、なかにしまった食品の鮮度を管理してくれるシステムもできるのかもしれない。

 

【関連記事】

※ 息を吹きかけるだけ!「ニオイのレベル」が一瞬でわかる口臭チェッカー

※ 自分自身の「目」で位置を把握するドローン

※ 早期発見が命を救う!わずか1時間でガンを検出するデバイス

※ 貼り付けるだけ!スマホで体温を監視できるペラペラ体温計

※ 廃棄食品の扱いに困った英スーパーがバイオ発電で電力自給に挑戦

【参考・画像】

※ Improving the Performance of an Electronic Nose by Wine Aroma Training to Distinguish between Drip Coffee and Canned Coffee. – NCBI

※ Smart way to protect you from food poisoning – indiegogo