ロンドン大学「コーヒーが肝臓がんに効果的かも」

ロンドン大学「コーヒーが肝臓がんに効果的かも」
現在、日本人の総死亡数の3割ほどを占め、80年代から死亡原因の1位となっている“がん”。そのうち、肺、胃、大腸に次ぎ、近年では平均年齢の上昇に伴い、増加しつつあるすい臓がんと死亡者数4位を争っているのが“肝臓がん”だ。がん治療は日々進歩を続けているが、依然として克服が難しいのが現状だ。

そのため、科学的根拠に基づく予防が改めて重要視され、各種のガイドラインも示されているが、つい先日にはコーヒーの摂取に肝臓がんのリスクを低減させる可能性があることが発表され注目を集めている。

 

コーヒーと肝臓がんの関連が新たに発見

世界がん研究基金はこのほど、がんリスクや生存率への、食物や栄養、身体活動、体重の影響を分析するプログラムの最新の結果をまとめて報告。プログラムでは、世界中から集められた34の研究データ「男女800万人から集められ、肝臓がん24,600ケースを含む」を調べたという。

2007年以来となった肝臓がんセクションのアップデートで、明白な証拠が得られたのは以下の4点。体重超過や肥満が肝臓がんのリスクを増加させること、日におおよそ3杯以上のアルコール飲料の摂取が肝臓がんの要因になること、アフラトキシンに汚染された食物の消費が肝臓がんのリスクを増加させること、そしてコーヒーを飲むことが肝臓がんのリスク減少と結びつけられることだ。

このうち、体重および肥満、コーヒーについての発見は新たなものだという。

生体防御の活性化に可能性を探る

体重や肥満と肝臓がんの関連が発見されたことで、体重ががんの要因として関連付けられるケースが初めて10を超えることになった。肥満はインスリン、インスリン様成長因子、エストロゲンといったがんの成長を促す環境を作りだすホルモンのレベルに影響を与え、また肝臓がんの発生と発達を助長する体の炎症反応を活性化させることが分かっている。

今回の発表でとくに注目を集めているコーヒーについては、含まれる化合物が生体防御を活性化させることが分かり、ほかにも炎症を減らしDNAへのダメージを防ぐこと、またDNAを修復する能力を増加させ、インスリンに対する敏感度を改善させることの可能性があるということだ。

コーヒーで癌

しかし、現状ではコーヒーの摂取を肝臓がん予防の決定的なアドバイスとするためには、まだ答えの出ていない疑問もあるようだ。例えば、コーヒーを飲む量やミルク/砂糖の有無、あるいは調査で使われたコーヒーにカフェインが入っていたか、レギュラーかインスタントかといった点も明確ではないという。今後はこうした問題を明らかにする必要があるほか、体の他の部位への影響も慎重に調べなければならないようだ。

私たちが日常的に摂取することが容易なコーヒーなだけに、実際の予防法として確立されれば極めて有益といえ、今後のさらなる研究を待ちたいところだ。なお世界がん研究基金では肝臓がんのリスクを減少させるために2つのことを推奨している。それは、健康的な体重を維持すること、そしてアルコールを摂る場合も一日に男性で最大2杯、女性は1杯に制限することだ。将来の健康を考えていくうえで参考にしてはいかがだろうか。

 

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【参考・画像】

※ Liver cancer – World Cancer Research Fund International