一卵性双生児が宇宙と地球で生活を開始!宇宙生活は人体に何をおよぼすのか

一卵性双生児が宇宙と地球で生活を開始!宇宙生活は人体に何をおよぼすのか

“人は宇宙へ進出することによって次の進化を迎える”

どこかで聞いたような話だが、米国航空宇宙局(NASA)は、宇宙での生活が人にどのような影響を与えるかというある実験をスタートした。

 

地上とは異なる環境で人体に及ぼす影響は?

人類はすでに、試験的にとはいえ宇宙での生活を開始していることはご存知だろう。これまでの宇宙生活の実験で、人が無重力状態のなかで一定期間生活を続けると、地上とは異なる変化をみせることが確認されている。

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例えば、人体は様々な器官を利用して体の向きや重さ、抵抗などの情報を得て”位置”を確認するが、無重力空間では”眼”からの情報に頼ることが多いため、それらの器官が衰退していく。血液は上半身に集まりやすくなり、一時的に顔が浮腫むなどの症状がみられる。血流はしばらくすると筋肉などの働きにより無重力状態に適応するが、そのまま地球に降りてしまうと、今度は頭に血が回らなくなり失神してしまう恐れもあるのだそうだ。

 

世界初!一卵性双生児が地上と宇宙で同じ生活をしてみる

宇宙空間、特に無重力状態での生活は、人類が今まで体験したことのない環境であるため、まだ他にもさまざまな影響を及ぼすと考えられているが、この度NASAが更なる調査のための実験を開始した。

目玉となるのが、一卵性双生児を使った異なる環境での実験だ。すでに3回の宇宙飛行経験を持つスコット・ケリー氏と、兄マーク・ケリー氏が、地球と国際宇宙ステーション(ISS)にて別々の生活を送りながら、双方の身体の変化を調べるというもの。

現在、世界で唯一の一卵性双生児の宇宙飛行士で、背丈や顔も瓜二つなのだという。ISSの滞在は通常半年ほどだそうだが、今回は1年という長期滞在で、より詳細なデータを得たいと考えているとのこと。

 

無重力生活は目の健康状態をどう変えるのか?

そのなかで、特に注目されているのが”視力”への影響だ。前述したように、無重力状態では地上とは異なり上半身に血液が集まりやすくなってしまう。それにより頭蓋骨や脳には大変な圧力がかかるそうだが、眼球への影響も非常に大きいそうだ。

結果、視力障害といった症状が起こりやすくなるのではないかという仮説があったのだが、今回は体液移動と目の健康に関する実験も行われる。

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無重力状態での生活を1年間続けることは健康上のリスクも伴うが、将来、私たち人類が宇宙で生活するためにどんな準備をしたらよいのか、また最近よく耳にする“火星への有人探査”への足がかりとしても期待されている。

もちろん、それらのデータは高血圧症に悩まされる人や地上での視力障害を持つ人々の治療にも役立つかもしれないし、更には人類が今までにない環境で進化を遂げるための大きなきっかけになるかもしれない。

 

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【参考】

Pressure is On to Find the Cause for Vision Changes in Space – nasa.gov