世界初となる「超高効率モーター用分析評価装置」が開発される

世界初となる「超高効率モーター用分析評価装置」が開発

ハイブリッド(HV)や、プラグインハイブリッド(PHV)、電気自動車(EV)の普及が進む日本。少し古いデータになるが、平成22年度には両車種合計で約456,000台だった販売台数は、平成25年度には2倍以上の1,043,000台にまで増加。乗用車全体に占める割合も無視できないほど大きなものになっている。

こうした車の電動化に伴い、需要拡大が予想されているのがモーター。家電から産業機械向けまで、自動車以外にも様々なシーンで使用されているモーターだが、いま最重要課題のひとつと考えられているのが、その省エネ化だ。つい先日には、高効率モーターを開発するために不可欠な世界で初めての分析・評価装置が2つ、国内で発表され注目を集めている。

 

NEDOとMagHEMが主体となって開発進める

産業競争力のある小型・高効率モーター開発のためには、実機モーターの性能・信頼性評価を確立することが重要だという。9企業、2団体から構成される「高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)」ではこれまで、経済産業省が所管する独立行政法人NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトにおいて、レアアースに依存しない革新的高性能磁石の開発と、モーター駆動のためのエネルギー損失を少なくする高性能軟磁性材料の開発に取り組んできた。

NEDO モーター 世界初

そして、開発に成功したのが、超高精度モーター損失分析装置と応力下磁気特性評価装置の2種類の装置だ。

 

2種類の画期的な分析・評価装置から将来的には高効率モーター実現へ

超高精度モーター損失分析評価装置では、モーターの損失評価の誤差の原因となる機械損失の変動要因を低減させるため、磁気浮上し機械摩擦損失のない“磁気軸受”を採用。取付け性に優れ、かつモーター側に機械的接触部が一切ない構造とすることで、高精度に安定したモーター電磁損失の測定が可能になった。

NEDO モーター 世界初

また次世代のモーター用鉄心素材として期待される薄帯状材料に応力を加えた際の磁気特性を評価する装置も世界で初めて開発。モーターを回すための電磁石部分を構成する鉄心には、将来的にはナノ結晶材などと呼ばれる薄帯状材料が適用されると予想されている。しかし、回転力を支えるために鉄心部分を強固に固定すると、鉄心での損失が増加し素材の特性が活かせない可能性もあるという。

今回、髪の毛のよりも薄い約20μm厚の材料を折り曲げずに圧縮力を加える技術を開発し、磁気特性の低下を定量的に評価できるようになったということだ。

NEDO モーター 世界初

NEDOとMagHEMは今後、エネルギーの損失が少ない高性能軟磁性材料や、これらの新規磁性材料の性能を最大限に生かしてより一層の高効率を達成できるモーターの開発を進めるという。目標としている、エネルギー損失を従来モーター比で25%削減する高効率モーターの実現が今から楽しみだ。

 

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【参考・画像】

※ 超高効率モーター用分析評価装置を開発 – NEDO

※ 電気自動車等販売台数統計 – NeV