自動販売機を使った社会実験・・・正しい貢献とは何か?不買運動について考えさせられる映像

自動販売機を使った社会実験・・・正しい貢献とは何か?不買運動について考えさせられる映像

ドイツ・ベルリンの広場に置かれた自動販売機。そこでは、Tシャツが2ユーロ(約269円)で売られている。しかし、その自動販売機は、ただTシャツを販売するだけではなかった。

 

硬貨を入れたユーザーが見たものは?

硬貨を入れてTシャツのサイズを選択すると、すぐに製品がでてくるのではなく、ビデオが流れる。そこで売られているTシャツを作っているような工場の映像だ。下の動画を見てほしい。時給は13セント。1日あたり16時間も働かされている。

その映像を見たあと、ユーザーはもういちど選択肢を与えられる。Tシャツを買うか、それとも寄付をするのか。8割のユーザーが、購入をやめたという。

この企画は、4月24日の『Fashion Revolution Day』にあわせて行われたものだ。2013年にバングラデシュのビルが崩壊し、劣悪な環境の衣料品工場で働いていた労働者1,133人が死亡した日である。そのときの映像が下の動画である。

『Fashion Revolution Day』は、労働者や環境や創造性、利益を平等な基準で測ろうというキャンペーンだ。フェアトレードもその一環である。

日本でも20年前などとくらべるとずいぶん衣料品が安くなった。ちょっと不思議な現象だ。その背景には、発展途上国において、低賃金で劣悪な環境で働かされている大勢の労働者がいるのかもしれない。というか、おそらくそうだろう。低価格な衣服でファッションを楽しんでいるわれわれは、彼らから搾取しているという形になる。

 

“不買”は正解なのか?

とはいえ、“2ドルのTシャツを買わない”という行動が正しいのかどうか、ちょっと引っかかる面もある。たしかに労働者は低賃金で働かされているのかもしれない。でも、もしわれわれが買わなかったら、彼らの収入はゼロになってしまうのではないか。それでいいのだろうか? 代わりに寄付をする? それは根本的な解決になっているのか?

業界が生産のプロセスを透明化し、搾取が起こらないような仕組みを作りあげていくことは重要だろう。その結果、不当に安い製品が買えなくなることは、かまわないと思う。しかし、“生産プロセスがブラックな製品”は買わないというのは、またちょっとちがうことのような気がするのだ。

もちろん、多くのひとがフェアトレードで生産された製品を買うようになれば、”生産プロセスがブラックな製品”は売れなくなり、“ブラックな雇用主”もフェアトレードに移行せざるをえなくなっていく、という理屈はわかる。とはいえ、そのために、一時的であれ“ブラックな雇用主”のもとで働いている、もっとも貧しいであろう層の労働者の職を奪うことにならないのだろうか?

労働者が劣悪ではない環境で働くことができるようになってほしいという考えには、多いに賛同する。しかし、具体的なアクションを起こす際には、もっとよく状況を知ったほうがいいような気もする。ひとつひとつの製品を作っているのは、個々の生産者であり、個々の生産者にはそれぞれの事情があるはずだ。

たとえ“ブラックな雇用主”であろうと、そのもとで働く以外に収入を得る選択肢がないひともいるかもしれない。その製品の不買運動は、正しいといえるだろうか?

それとも、そんなことをウダウダ考える前に、アクションを起こすべきなのだろうか? 筆者には簡単に答えがだせない。

 

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【参考・画像】

※ The 2 Euro T-Shirt – A Social Experiment – YouTube

※ Rana Plaza building collapse: Death toll continues to rise in Bangladesh – YouTube