英大学が電気刺激による皮膚創傷治癒の研究結果を発表

英大学が電気刺激による皮膚創傷治癒の研究結果を発表

電気刺激が皮膚の創傷の治癒を加速させるという研究が、マンチェスター大学の研究者らが40人のボランティアを使って進められている。治癒が遅い皮膚創傷は、世界中の科学者達が挑戦すべき課題なのだという。

NHS(イギリスの国営医療保険制度)は、下肢静脈や糖尿病性潰瘍などによる慢性創傷の治療に毎年10億ポンドを費やしているのだ。皮膚創傷は、治癒に失敗して6週間以上傷が開いたままであれば、慢性化してしまう。

 

ボランティアを使った傷の治癒速度の検証

マンチェスター大学の研究者らがPLOS ONE誌に発表したところによれば、40人のボランティアの皮膚を使った研究で、皮膚創傷治癒に関する独自の研究成果を得られたという。

この研究成果は、同大学とOxford BioElectronics社が協同研究する治療装置や傷を覆う素材の評価に役立っている。ボランティアの上腕には、2箇所の傷が付けられ、一つは自然治癒に任せ、もう一つは電気の刺激を与えながら2週間の経過を比べてみた。

ボランティアの傷

すると、電気刺激を与え続けた傷には、新たな血管の形成が促進され、血流が増加し、より早く治癒されたのだ。

傷の比較

 

皮膚創傷の次世代治療方法に向けて

そこで大学の研究者らとOxford BioElectronics社は、この技術を使った治癒装置や傷を覆う素材の開発と評価を行うために、5年間のプロジェクトを協働するとしている。

研究者等は、この研究成果によって、電気刺激が皮膚創傷治癒の促進に効果があるとし、この研究が進めばスポーツや軍事による傷害の治療に役立つ可能性があると語っている。従って、今回の共同研究は、皮膚創傷の刺激的で画期的な治療方法が期待できるプロジェクトとなるだろうともいう。

Oxford BioElectronics社側も、大学との共同研究が、皮膚創傷に関する次世代の治療方法を開発する有益なプロジェクトであると期待をみせているようだ。

 

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【参考・画像】

※ New findings support University bid for bandages to enter the electronic age – The University of Manchester

※ PLOS ONE – Angiogenesis Is Induced and Wound Size Is Reduced by Electrical Stimulation in an Acute Wound Healing Model in Human Skin