FC性能向上に光か?トヨタが白金をリアルタイムモニタリングする技術を開発

FC性能向上に光か?トヨタが白金をリアルタイムモニタリングする技術を開発

トヨタ自動車が世界に先駆けて世に送り出した量産FCV『MIRAI』。燃料である水素をFCスタック(燃料電池)に送り込んで大気中の酸素と反応させることで発電、EV同様にモーターで走行する構造だ。

 

FCV普及には車両価格の引き下げが急務

『MIRAI』の車両価格は723.6万円で、国や自治体から支給される補助金で400万円台前半にはなるものの、同車がクラウンHVクラスの車格であることを鑑みると車両価格はまだ高額と言わざるを得ない。

TOYOTA_FCV

HVとの主要パーツ流用など、数々のコストダウン努力を経て現在の価格にまで辿り着いた訳だが、今後のFCV普及促進や後続メーカーに対する優位性維持には車格に見合った価格設定が求められる。

そうした背景からトヨタ社内では経営トップから2020年代の早い段階でFCVの車両価格を大幅に引下げるよう指示が飛んでいるそうだ。

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そこで同社の開発陣が改めて手を付けたのがFCVの中枢部、FCスタックのコストダウン。

水素と酸素の化学反応時に電子を取りだす役目を担う触媒に高価な貴金属“白金(プラチナ)”が使われているからだ。コストダウンには“白金”の使用量低減が欠かせない。

 

コストダウンには大きな課題が存在

しかしその前に解決しなければならない課題があると言う。

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白金の触媒としての性能は“白金微粒子”の表面積が大きいほど発電効率が高いとされているが、発電を繰り返すうちに“白金微粒子”が粗大化、やがて発電効率の低下に繋がるそうだ。

従って粗大化するメカニズムを解明する必要があるが、これまでの観察手法では不可能とされていた。つまりこのメカニズムが解明できればコストダウンの道筋も見えて来るという訳だ。

 

白金触媒の劣化メカニズム解明が鍵に

今回トヨタは発電状態でリアルタイムに“白金微粒子”が粗大化する様子を『透過型電子顕微鏡』を使って捉えることに成功した。

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これは顕微鏡内に燃料電池セルを模擬した極小の観察用サンプルを組み込むことで成し得たそうだ。

動画では確かに2個の“白金微粒子”がくっついて粗大化する様子が確認できる。

 

今回の研究成果は大きな意味を持っている

トヨタではこの装置を使って粒子の粗大化を防ぐ手法を確立すれば、燃料電池の長寿命化や白金使用量の低減が可能になるとみている。

そうした意味では今回の研究成果はまだ最初の一歩に過ぎないかもしれないが、後に2020年代前半のFCV低価格化に向けた大きな第一歩となる可能性を秘めていると言ってよさそうだ。

 

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【参考・画像】

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