米DARPA競技にみる次世代災害救助ロボットは2段階変形の「トランスフォーム型」!?

米DARPA競技にみる次世代災害救助ロボットは2段階変形の「トランスフォーム型」!?

優勝賞金200万ドル(約2億5,000万円)をかけた災害救助ロボットコンテスト『DARPA Robotics Challenge(DRC)』決勝が、2015年6月5日〜6月6日(現地時間)にアメリカ合衆国カリフォルニア州ポモナで開催された。

DARPA(米国防高等研究計画局)が主催するこの競技は、2011年の東日本大震災が契機。被災地や福島第1原発内での危険な作業を、人に代わってロボットが行っていた映像や写真が記憶に残っている方も多いだろう。この大会は、そういった災害救助ロボットのさらなる開発を促進するのが目的だ。

 

ガレキを越えたりクルマの運転まで

2013年から開始された予選では、アメリカや中国、韓国、そして日本など、各国のチームが自慢のロボットで参加し、今回のファイナルには23チームが進出。

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決勝のルールは、クルマの運転、クルマから降りる、ドアを開けて部屋に入る、バルブを開ける、ドリルで壁に穴を開ける、ガレキを越えるに加え、『日替わりサプライズ課題』の計8つのメニューを1時間以内で、最もはやいタイムでクリアしたロボットが、より高得点を得るというものだ。

結果は下記のとおりである。

優勝はTEAM KAIST(韓国)の『DRC-HUBO』、2位がTeam IHMC Robotics(アメリカ)の『Running Man』、そして3位がTartan Rescue(アメリカ)の『CHIMP』となった。

4チーム参戦した日本勢はTeam AIST-NEDO擁する『HRP2+』の10位が最高位だった。

AIST-NEDO's HRP2+01

 

1位と3位はタイヤ走行も可能なモデル

大会に参加しているロボットは、基本は2足歩行型。だが、上位3チームのうち、1位と3位のチームのロボットは、2足歩行だけでなく、タイヤでの走行も可能な仕様になっている。

例えば、1位のTEAM KAISTが持ち込んだ『DRC-HUBO』(当記事の画像一番上)は、ヒザ部分が折れ曲がりタイヤでの走行も可能。

階段を登ったり、クルマの運転では2足歩行、モノを掴む場合などにはより体勢が安定するタイヤ走行へトランスフォームする。3位のTartan Rescueが擁する『CHIMP』(下画像)の場合は、シーンに応じ2足歩行から4輪タイヤ走行にチェンジするなどで、全てのメニューをクリアしている。

th_Tartan Rescue rubble 2

 

転倒ダイジェスト動画集が人気だが……

大会では、参加ロボットの転倒はかなり多かったようで、アメリカの電子工学技術の学会IEEE Spectrumでは、大会の転倒シーン集の動画を作成して話題を呼んでいる。

一生懸命作業しているのに(多分)、転んでしまうロボットの姿に、筆者も思わず『ガンバレ』と声援したくなった。そんな人が多いのだろう、アクセスはかなりあるようだ。

いっぽう、これもあくまで私見だが、2足歩行型“だけ”は、現在の技術では、足場が悪い作業環境で転倒しやすく、作業が非効率になるのではないか? とも思える。場面や場所に応じてタイヤ走行型になるなど、2足歩行からより安定した形に変形するタイプの方が、現実的かもしれない。

いずれにしろ、こういった競技やイベントなどにより、今後もこの分野の研究・開発が進むことを願いたい。

 

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【参考・画像】

※ DARPA ROBOTICS CHALLENGE FINALS 2015