チョコレートの「ドカ食い」が心臓病のリスク低下に関係?

チョコレートの「ドカ食い」が心臓病のリスク低下に関係?

大手メーカーは、原料のカカオ豆の価格高騰を理由に7月からチョコレート製品の価格を引き上げるという。チョコレート好きにとっては残念な話だが、その一方で嬉しい話題も。

活性酸素を抑える働きがあるカカオポリフェノールを含むなど、健康効果も取り沙汰されるチョコレートだが、このほどチョコの消費と体に関する新たな研究が発表された。医学誌『Heart』に掲載された論文によると、毎日100グラム以上のチョコ摂取は心臓病や心臓発作のリスク低下につながるという。

 

世界最大のコホート研究の調査結果を利用

論文の執筆者たちは、世界最大のコホートのひとつ“European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC)”から、英ノーフォークで行われた、日常の食事の健康へのインパクトについての調査結果を用いた。このノーフォークEPICでは、25,000人の男女を対象に、食事摂取頻度やライフスタイルのアンケートを実施している。論文執筆にあたっては、あわせて、チョコレートと心血管疾患の関連についての、国際的に公表されている利用可能なエビデンスの幅広いレビューも行ったという。

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EPICの調査では、約20%がチョコを食べないと回答したものの、それ以外では平均で1日7グラム、人によっては100グラム以上のチョコを食べていたという。高い消費量レベルは若い年齢、低い肥満度・ウェスト―心血管疾患のリスク予測の前兆となる諸々の指標を含む―と関連付けられた。また、より多くのチョコ摂取は多くのエネルギー摂取量、多くの脂肪や炭水化物を含む食事、少ないタンパク質やアルコールとも関係していたそうだ。

 

多くのチョコを消費する人とさまざまなリスク低下が関連

算出されたデータは、多くのチョコを消費する人は食べない人に比べ、11%の心血管疾患リスク低下、そして25%の死亡リスク低下を示した。ほかにも、心筋梗塞による入院や死亡、C反応性タンパク、心臓発作でもリスク低下が認められたという。

レビューに含まれる研究でも、そのうち心筋梗塞と心臓発作を評価する5つで、規則的なチョコ消費とリスク低下が関連付けられたほか、心血管疾患やそれに伴う死亡でも同様の傾向が見られたとのことだ。

 

“逆の因果関係”が考えられるも、研究チームはチョコの効果に自信

もっとも観察に基づく研究であるため、原因と結果についてのはっきりとした結論を導き出すことはできない。研究チームは、こうした食事の摂取頻度アンケートが多くの“思い出しバイアス”や項目の過小評価を起こす点も指摘している。また、そもそも心血管疾患のリスクがより高い状態の人たちは、健康な人に比べチョコを食べる量が少ないのでは、という“逆の因果関係”が研究結果の説明になる可能性もある。

しかし、にもかかわらず、研究者たちは「累積したエビデンスは、多くのチョコレートの摂取と低い将来の心疾患リスクの関連を示唆している」と付け加えている。

Cocoa (cacao) beans with chocolate

それでは、と今日からチョコの消費量を増やすのは早計だが、示唆に富む興味深い結果ではないだろうか。もっとも市販のチョコレートには糖分や添加物が多く含まれているものもあるので、食べる量に気をつけて損はないかもしれない。

 

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【参考・画像】

※ Eating up to 100 g of chocolate daily linked to lowered heart disease and stroke risk