【2020年以降の未来予想】10年後の自動車はどうなっているのか

エンジン(内燃機関)自動車はズルしている

いい方に語弊があるが、実際にEV開発者はこう愚痴るという。

「エンジン車はいいよなあ、エネルギーを全部自分の中に貯めこまなくていいんだから。」

EVはそのエネルギー源をバッテリーの中に蓄える必要があり、走行中は外からまったく供給を受けない。エンジン自動車は一見燃料、ガソリンや軽油だけで走っているように見えるが、実はそれだけではない。それは空気だ。

エンジンは空気を燃料と混ぜて爆発させることでエネルギーを取り出すが、この空気は走行中車外からとりたい放題なのである。もしこの空気をすべて自分の中に貯めこまなければならないとするとどうだろう。高圧の酸素ボンベを中に抱える必要がでてくるし、もし排気ガスも車外に出してはならない、となれば排気ガスを貯めこむタンクも必要である。

そうすると今のようにコンパクトな自動車を作ることは不可能で現実的ではない。EV開発者の溜め息は、走行エネルギーすべてを自動車の中に貯めこむことが前提のEVならではの苦悩の表れだ。

 

EVのジレンマ

エンジン自動車のフルタンクでの航続距離はだいたい400km以上、昨今の燃費のよいディーゼル車やハイブリッド車ではエコ運転すれば1000kmに達するものも少なくない。一方EVの航続距離はスペック上150~200km程度で、実走行すると約半分近くまで落ち込んでしまう。

特にエンジン自動車の場合高速道路では燃費が伸びるのに対し、EVの場合は逆に高負荷運転が連続することとなり、電費は悪化してしまう。この点からも航続距離という面でEVは不利である。

EVで航続距離を伸ばすには、電池を大量に積み込むしか今のところ解決策がない。テスラ・モデルSではその手法により公称航続距離500km~600kmを達成した。しかしカタログスペック上であり、実際に走ってみると相応に悪化する。

このバッテリーを大量に搭載するとEVは大きく重くなる。運動性能を高めるために高出力モーターを搭載すると、電費は悪化し、さらにバッテリーを追加、さらに大きく重くなるというジレンマに陥る。まさにエンジン自動車の仕掛けたワナにはまってゆくのだ。

 

急速充電器の少なさと充電時間の長さ

エンジン自動車のワナはまだ続く。それは充電だ。

ガソリンスタンドと同じく、EVを充電するための充電ステーションが各所に設置されているが、その数は多くない。EVが普及しなければ行けば充電できるが、昨今はEVが増えてきて、先客のために充電待ちが発生することも少なくない。

ここで問題となるのは充電時間の長さである。

だいたいのEVは急速充電30分で80%まで充電可能となる。タッチの差で先客がいて30分充電すると30分待ち、そして自分が30分充電するとなんと1時間も待つことになるのだ。それでいて航続距離は実質100km前後(一般的なEVの場合、テスラは公称270km)増えるに過ぎない。

その点ガソリンスタンドは驚異的だ。ガソリン給油速度は約 0.5L/秒のため、ほぼフルタンクの50L給油したとしても、たった100秒しかかからない。例え先客がいたとしても、数分待てばすぐに順番が回ってくるし、そもそもスタンドがたくさんあるために順番待ちすることが少ない。しかも1度給油すれば400kmも走ることができる。

このためEVはドライブや旅行で途中充電すると計画が大幅に狂ってしまう。EVがロングレンジでの走行に向かないのは、これも大きな理由だ。

結局のところ家庭で夜のうちに充電しておき、途中充電することなく帰ってこられる範囲を行き来するのが無難である。

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