【クルマを学ぶ】大気汚染の王様「トラバント」の悲劇的な運命

トラバント

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自動車産業にとって最も重要なセクターは、大衆車部門である。

T型フォードが登場して以来、自動車メーカーは常に「庶民がどのようなクルマを欲しているのか」ということを考えてきた。自動車という工業製品がライン生産によるものである以上、少数の金持ちにだけ売れても仕方がない。巷に製品を普及させ、多く売るのが至上命題だ。

だからこそ大衆車というものがある。フォルクスワーゲン・ビートルがまさにそれだし、イギリスのミニ、日本のスバル360辺りが“大衆車の代名詞”と言うべきだろうか。安価だが、最低4人の大人が乗れる大きさの自動車。それだけのキャパシティがあれば、夫婦と幼い子ども3人でのドライブが可能だ。

だが人類が生み出した大衆車の中には、人という動物の本性について考えさせられるクルマも存在する。

共産主義の歪んだ理想の具現化、大気汚染の王様、生き続ける化石。そんな汚名を被り続けた『トラバント』というクルマがあった。