【世界の功績者から学ぶ・前編】「シャングリラ」を夢想する日本人 

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人間が人間である以上、“完璧”を実現させることはできない。人間は欠点があるからこそ価値のある動物だ。

だから、その人間が構築した国も、欠点だらけである。

残念ながらこの世に“シャングリラ(理想郷)”はなく、人は誰しも世知辛い現実の中で生きている。

しかし、日本人は長い間、「自分の知らない土地に必ず“シャングリラ”が存在する」と夢想していた。かつては旧ソ連や東ドイツや毛沢東支配下の中国、そして北朝鮮が“地上の楽園”と呼ばれていたし、反共を掲げる陣営は、アメリカの消費社会こそが人類の理想と公言していた。

東西冷戦時代が終わっても、日本人のその姿勢は変わらなかった。北欧三国を「世界で最も福祉が整備された国」と絶賛し、かと思えばコスタリカを「軍隊のない平和国家」と憧れ、ブータンを「世界で最も幸福な国」と讃えた。

だが実際は、どの国も問題だらけであることに日本人はようやく気付き始めた。

コスタリカは常備軍の代わりに強力な武装警察を有し、アメリカ軍の駐留も認めている。ブータンはネパール系住民を迫害し、多くの難民を出している。世界一教育水準が高いと言われている北欧三国も、相次いで起こる乱射事件に頭を悩ませている。

やはり、“シャングリラ”は存在しないのだ。

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