次世代モビリティー「ILY-A」が伊勢志摩サミットに登場 時代を変える製品となるか

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カール・フォン・ドライスが19世紀初旬に発明した「ドライジーネ」は、のちに改良を施され自転車となった。この自転車というモビリティーが後世にどれだけの影響を与えたかは、もはや説明不要だろう。

スティーブ・ジョブズは「我々は電話を再発明した」と語ったが、自転車の「再発明」もすでに行われているかもしれない。

しかもそれは、日本国内の話だという。

 

全年齢層が対象

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アイシン精機が開発した『ILY-A』は、先日の伊勢志摩サミットにおいても報道陣に公開された。

この新しい乗り物は、用途に応じて4つの形態に変形することができる。ある時はセグウェイのようなタイプに、またある時はバイクに化けることもできる。そして買い物の際にはカートとしての変形も可能だ。

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このILY-Aが目指すところは「若者からシニアまで」である。

今回は伊勢志摩サミット取材会場でブース展示を担当していた、アイシン精機の大西佳寿恵氏に話を聞いた。

「このような乗り物はILY-Aが初めてというわけではないのですが、従来のものは対象の年齢層が特化していました。若者に注目はされるけれどご高齢の方々には見向きもされない、という感じです」

確かに、こうした新世代モビリティーを全年齢層に普及させるのは至難の業である。セグウェイに乗りたいという高齢者は少ないだろうし、またシニアカーに好んで乗る若者も存在しない。

 

ゲームと同じ操作感覚

ILY-Aの操作機構は、至って単純だ。

「動かし方はポーダブルゲームと同じです」

大西氏はそう言った。そしてその言葉通り、ハンドル右手側には親指で操作できるコントロールパッドがついている。これは確かに、現代のポーダブルゲームとほとんど同じものだ。

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また、人力による運搬の際にもキャリーモードに変形させることができる。これについて大西氏は、

「(ILY-Aが)格好いい・賢いのは当たり前で、持ち運びがラクラクできるものでなくてはならないと考えています」

と、コメントしている。

 

数百年後に語り継がれる乗り物へ

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ILY-A開発メンバーは、「信じろ、アイシン!」「Go beyond!」という言葉の下で今も開発に取り組んでいる。

一時のウケを狙った奇抜な乗り物を作るのは、難しいことではないだろう。だがドライジーネのように「あの発明品が自転車の基礎となった」と歴史書に書かれるような製品を作ることは、極めて難しい。

だからこそILY-Aは、「いろいろ使える、格好よくて、賢いパートナーモビリティ」という方向への変身を遂げたのだ。一過性ではない、数百年後の歴史の授業で紹介されるような製品を作るため、日夜努力を重ねている人々が我が国に存在するのである。

そして、歴史を変える発明品には必ず真心があるということも明記しておかなければならない。