ソーラーパワーで発進!限りなくエコな、リカンベント式カーゴバイク

太陽光によって作動するモーターを搭載した、リカンベント式カーゴバイクが誕生する?と西ヨーロッパ諸国内でちょっとした話題を振り撒いている。まだこれは試作段階にあるが、将来的に、リカンベント・バイクの活用選択肢がさらに増える可能性を秘めたマシン、ともいえるかもしれない。

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サイズの大きさも話題に

このカーゴバイク「8rad」はまず、世界一といわれるそのサイズが話題となっている。なんと、全長が5メートル、幅は2メートル、として車輪は8個と、一般のカーゴバイクとはスケールが違うのだ。考案者はドイツ人のニコ・ユンゲル氏である。しかし彼はなぜ、こんなに大きなバイクを製作しようと思い立ったのだろうか。この疑問に対しユンゲル氏は、「僕のライフスタイルに、ぴったりくる乗り物を作ってみたい、と試行錯誤している中で生まれたんだ」と答えている。

実はユンゲル氏は数年前、それまで住んでいたフラットを売り払ったという。これは、ノマド的なライフスタイルを充実させるためで、移動手段としてバンを購入したのだが、それを駆って仕事場へ行く途中、「何か、違う」と感じ、「ならば自分で、その“何か“を作ってしまおう!」と思い立ったのだそうだ。バンと違って排ガスを出さず、環境にやさしい移動手段を…と考案を重ねる中で、このカーゴバイクの構想が生まれたのだという。

完全オリジナル作品

しかし、構想自体は秀逸でも、実際に自分の手で制作するとなると話は違った。サイズが全長5メートル、という構想スケールも大きいが、彼自身、カーゴバイクはおろか、こういったもの自体を組み立てた経験すら持っていなかったというのだから、さぞ仕上げるまで苦労を要したことだろう。

ユンゲル氏は考案中、ベルリンへ引っ越したこともあり、友人たちの助けを借りながらプロジェクトを進めることもかなわなかったため、インターネットからの情報を集め、知識をひとつひとつ増やしていき、それらの情報を組み合わせつつ、見よう見まねで制作を進めた。また、道端に停車してあるミキサー車やトラックなど大型車の下にもぐりこんで観察を重ねることも役立ったという。インターネットがなければ、この全過程をふむことは不可能だった、と彼は振り返っているが、それでも幾度もの失敗を繰り返し、専門家からのヘルプを求めようか、と考えたことも多多あったという。しかし、彼の性格がそれを許さなかったようだ。

「5メートルのカーゴバイクをたった1人で作るなんて、無謀なチャレンジだったかもしれない。でも僕は、1度決めたことは、何から何まで一人でやり遂げたい性格だから、くじけずに突き進むしかなかったんだ」。

リカンベント式自転車とは?

リカンベントとは簡単にいえば、身体を後方に倒し、背もたれにもたれかかった状態でこぐ自転車のことだ。通常の自転車であればサドルに座り、足をペダルに乗せて上下に回転させてこぐところだが、リカンベントでは、イメージとして宙に向かって足をつき出すようなスタイルでペダルをこいで進むため、一般の自転車と決定的に違う点はここにある。

乗ってみた人でなければ、その使用の爽快さはわからない、といわれるリカンベントだが、出せるスピードや乗り心地のよさは普通の自転車以上と評価する人も多い。また、いわゆる仰向け状態で足を突き出して漕ぐこのスタイルが特に足のシェイプアップに最適といわれ、痩身に期待をかける女性たちの利用者数が西ヨーロッパ諸国では急上昇中だという。

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ソーラー・エネルギーで作動するモーターを搭載

このようなメリットも見込めるリカンベントに注目したユンゲル氏には、先見の明があったといえるのかもしれない。環境にやさしいこの「大型自転車」は将来、自動車やバスに代わるエコな乗り物になる可能性を秘めているわけだ。

彼が現在、青写真として研究を進めているのが、太陽(ソーラー)エネルギーで作動するモーターを搭載したカーゴバイクである。太陽エネルギーを収集するためにはもちろん、ソーラーパネルやモジュールは不可欠だ。この「8rad」には、ドーム状に設置された屋根にソーラーパネルが貼り付けてあり、これらパネルに太陽光が十分に当たる構造となっている。全長5メートル、幅2メートルの巨大なカーゴバイクの側面や上部を、いかに有効的に使って効率よく太陽光を収集するか、さらなる研究が進められている。ちなみにユンゲル氏によれば、乗り心地は想像以上に良いそうで、モーターが搭載されていれば「運転席」に座るのは1人で十分だということだ。ただ、まだ改良点も残っている。たとえば、運転速度をいかにして上げるか、また一般道路の交通基準に合わせて改良すべき点もまだあるという。しかし、このように太陽光によってコンスタントに電力供給ができるとなれば、将来的にはバス、タクシーなどエコな輸送手段としての利用も可能になるのではないだろうか。

将来、このカーゴバイクが交通手段の一つになる夢を抱きつつ、ユンゲル氏はこの計画を進めるため、クラウド・ファウンディングによるプロジェクトを思慮しているという。

<関連サイト>

http://www.nicojungel.net/solar.html