ブラック企業に泣き寝入りしないためのアプリ登場

source:https://pixta.jp/

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毎日遅くまで残業ご苦労様です──えっ! 残業代もらってないの?

元々給料に残業代が含まれてるって言われているから……。
年俸制だから……。
管理職だから……。
変形労働時間制だから……。
裁量労働制だから……。

などなど、様々な理由で残業代を諦めてはいないだろうか?

これらの理由で残業代を払っていないその会社は、もしかするとブラックかもしれない。

そんなブラック企業がはびこる社会を変えようと、残業代を請求できる証拠を残すアプリが弁護士たちによって開発された。

 

スマホのGPS機能を活用して残業を記録するアプリ

そのアプリの名は『残業証拠レコーダー』(以下『残レコ』)。スマートフォンのGPS機能を利用して、自動的に残業時間を記録するアプリだ。

『残レコ』ホーム画面

source:https://www.atpress.ne.jp/news/102701

開発は日本リーガルネットワーク(東京都千代田区)で、本稿執筆時点では現在はAndroid用のみがリリースされているが、近日中にiOS版もリリースされるようだ。

開発には弁護士が携わっており、労働者が企業へ残業代を請求する際に、裁判でも証拠として使う事に耐えうる仕組みが盛り込まれている。

開発会社としては、残業に関する知識が少ないことで残業代を払われずに泣き寝入りしていることに、労働者に気付いて欲しいという開発動機があったという。

そのため、『残レコ』ではまず初めに10項目ほどの質問に答えることで、自分の残業代が法律上請求できるのかどうかや、シフト制や変形労働時間制などの雇用タイプ別に残業代をシミュレーションすることができる。

『残レコ』シミュレーション画面

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そして勤務先や顧客・現場などの位置情報を設定することで、スマートフォンのGPS機能と連動して自動的に労働時間が記録される。

『残レコ』マップ画面

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記録された労働時間は、いざ裁判というときに証拠として使用できるように、サーバーにも保存される。

 

残業の証拠書も発行できる

企業側から残業代が出ないと言われている労働者が、手元に労働時間を証明できる記録を持っていることはまず無いだろう。

たとえタイムカードを使っていたとしても、企業側が改竄する可能性もある。

その点『残レコ』では、客観性の高い労働時間が記録され、企業側が改竄不可能な状況で保管されるため、裁判での証拠として利用することが可能だ。

『残レコ』では全国約50人の弁護士が掲載されており、ワンクリックで弁護士に相談や依頼をすることができる。また、勤務地に近い弁護士を検索することもできる。

さらに、示談や裁判で残業代を請求するための証拠としての証明書を発行する事もできる(『残レコ』掲載弁護士に送る場合は無料だが、それ以外は有料)。

 

支払われるべき残業代を知ることから始める

残業代は出ないものだ、と思い込まされている労働者が多い為、『残レコ』の公式サイトには、「残業代Q&A」というコーナーがある。実は残業代は請求できることが多いので、まずはそちらを確認してみるのもいいだろう。

また、揉め事を起こすよりも我慢した方が良いと思っていた人は、公式サイトの「残業代概算シミュレーション」を使って未払いの残業代を確認してみると良いだろう。予想を遙かに超える金額が出れば、考えが変わる可能性があるためだ。

本来支払うべき労働対価を支払わないことで競争力を付けているブラック企業が市場で有利になっているという状況を改善するためには、行政任せだけでなく、労働者側の認識を変えていくことも重要だろう。

この様なアプリが、労働者側の意識改革を促すかもしれない。

 

【参考】
※ 残業証拠レコーダー

※ 弁護士が設計!サービス残業問題に一石を投じるアプリ『残業証拠レコーダー』無料配布開始 ~簡単・正確な記録で実際の示談・裁判でも利用可能~ – @Press

【画像】

※  foly / PIXTA