不足のドローン練習場、需要分の確保が重要課題に

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Photo credit: 木日水巷 via VisualHunt / CC BY-NC-ND

ドローンの飛行規制が各国で整備されると、その市場の幅が一気に広がった。

規制は「決められた範囲以上のことを禁止する」ということだが、逆に言えば「その範囲内の自由を保証する」ということでもある。それがあるからこそ、関連企業は安心してドローンビジネスに打ち込めるようになる。

だがやはり、問題も露呈し始めている。ドローン飛行を練習するための場所が、全国的に不足しているのだ。

 

山林を有効活用

ドローンパイロットは増えているのにドローンの練習場は少ない。こうしたことを放置しておけば、いずれは改正航空法を破ってでも強引に練習飛行を行うパイロットが出てくるだろう。

そこで今、各地での練習場開発が急ピッチで進められている。

我が国日本の土地は、人口密集地の平野よりも山林のほうが圧倒的に広い。それが故に豊臣秀吉の太閤検地の時代から、山林の調査はなかなか行われてこなかった。現代の土地台帳ですら、日本にあるすべての山林を把握していない。

だが、言い換えればそれだけ広大な規制適応外エリアが存在するということだ。山林の隙間に多少の切り開かれた土地があれば、それが練習場になり得る。

実際の例を挙げると、栃木県足利市内にある『とちぎUVAフィールド』がそれに当てはまる。この練習場の土地所有者は、砕石生産を手がける三好砿業株式会社。つまりここは鉱山敷地なのだ。

広大な山林の中にあるわずかなスペースだが、ドローンの練習飛行には最適である。まさに「有効活用」という言葉が具現化した光景だ。

 

首都圏に室内練習場

また先月、埼玉県で室内ドローン練習施設『アクロプラス』がオープンした。

この施設の見た目は倉庫を改造したような感じだが、室内ではFPV(ファーストパーソン・ビュー)飛行ができる設備が備わっている。日本でのFPV飛行はようやく一般にも認識されるようになったばかりで、その練習場は極めて少ないのが現状。

また、アクロプラスではホバリングメインの初心者向け練習棟も設置されている。修理のための工具も完備され、いざという時も安心だ。

こうした室内施設の数は、今後も都市部を中心に増加すると見られている。

 

急速に変化した「ドローンへの意識」

日本でドローン規制が整備されたきっかけは、「信濃善光寺墜落事故」と「首相官邸侵入事件」である。ただ、一般的な日本人の心理に「ドローンを規制しなければ」という意識を芽生えさせたのは「善光寺」のほうではないのか。

何でも叶えてくれる「未来の道具」をくだらないことに使用する「のび太」みたいな者が、実際に存在する。日本人の大半がそう確信したからこそ、改正航空法に対する反対の声はほとんど発生しなかった。

よく考えてみれば、善光寺の一件からまだ1年2ヶ月しか経っていない。その間にドローンの飛行倫理が確立され、無法なパイロットはほとんど姿を消した。

そしてそれを足がかりに、全国でドローン練習場の建設が相次いでいる。

ドローン市場は本当の意味での「発展」へ大きく舵を切ったのだ。

 

【参考】

※ とちぎUVAフィールド

※ アクロプラス

【動画】

※ とちぎUAVフィールドの紹介です − YouTube