発電するサスペンションをアウディが開発中

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乗用車のサスペンションというのは、ほとんどの車種が巻きバネにオイルダンパーを組み合わせたものを採用していて、バリエーションに乏しい。いっぽうで、非常に完成度の高いシステムだともいえる。しかし、ドイツのアウディがユニークなサスペンションシステムを開発した。同社のウェブサイトで紹介されている。

 

通常のサスペンションは熱を捨てている

簡単に説明しておこう。自動車のサスペンションにおいて、路面からの衝撃はバネが吸収する。しかし、バネは、いちど力が加えられると伸びたり縮んだりを繰り返してボヨンボヨンとなってしまうので、適度な抵抗を与えて、その伸び縮みを抑える働きをする部品が必要だ。それがダンパーである。

ダンパーは注射器のような原理を使った筒状のものが一般的だ。このダンパーというのは、外部からの力を熱に変えることで振動を抑制するのだ。つまり熱としてエネルギーを空気中に捨てているわけである。ちょっともったいない。アウディのエンジニアはそれを回収するサスペンションを考えついた。

 

特性をプログラムできるアクティブサス

eROTと名づけられたこのサスペンションは、いわゆるアクティブサスペンションの一種だ。アクティブサスペンションは、一般的なサスペンションと比べて、路面のコンディションやドライバーのスタイルに適した調整が可能である。

また、通常のオイルダンパーはどうしても伸びる際と縮む際の特性がお互いに影響してしまうが、伸びも縮みも完全に独立してプログラムできるので、より理想的な特性をもたせることもできる。快適性を求めて縮み側は非常にソフトに、いっぽうで伸び側は引き締まった特性に設定することができる。

このeROTでは、伸び縮みする筒状のダンパーではなく、水平に設置されたロータリーダンパーを採用している。それによって、特に車体後方の荷物室を広くとることができるようになる。

そして注目の機構は、サスペンションの動きを電力に変える機構だ。サスペンションの上下の動きをギヤを介して電気モーターに伝え、そのモーターで発電するのだ。発電できる電力は、ドイツの道路で平均100から150ワットだという。もっとも、道路状況によって大きく変わる。きれいな路面のフリーウェイでは3ワット程度にとどまるいっぽうで荒れ気味の周辺道路なら613ワットにも達したという。

ちなみに一般ユーザーが走るような状況では、この電力は、1kmあたり最大3gていどの二酸化炭素削減につながるという。

このeROTは、アウディが推進している48ボルトシステムで実現する機構だ。現在12ボルトが主流の乗用車の電装システムは今後大きく変わっていくかもしれない。

 

【参考・画像】

※ The innovative shock absorber system from Audi: New technology saves fuel and enhances comfort – Audi MediaCenter