Kickstarterで「水中モーター戦争」勃発 その勝者は…

 

複数人に対して、ある目標を告げたとする。まったく同じ終着点を目指しているはずなのに、人によってそのやり方は異なる。人間は世界人口の分だけの考え方がある、ということだ。

発明の世界でも、そうしたことはたびたび起きる。今回は水中モーターの話になるが、まったく同時期にふたつの携帯型水中発動機が『Kickstarter』に登場しているのだ。

その両者を比較したい。

 

オーストリア発の水中モーター

まずはオーストリアのパトリッツァ・ジョバンニーロ氏が開発した『SCUBAJET』を見てみよう。

こちらは一見、ただの筒である。用途を説明されなければ、これが一体何なのか理解できないだろう。だがこの筒は、外付け型の水中ジェットモーターである。

サーフボードやゴムボート、カヤックなどに取り付けることができ、その推力は20kg。川や湖でのレジャーに使うならば、充分なパワーだろう。

また、ダイバーがSCUBAJETを直接手にして海を潜ることもできる。この製品の重量はわずか3kgだ。保管の際も、決してかさばることはないだろう。

SCUBAJETの目標調達金額は6万ユーロ(約690万円)だったが、期限残り5日の時点でその倍近い額を集めている。それだけ世界のネットユーザーの注目を集めたということだ。

 

同時期に対抗馬が

一方、同じKickstarterでこのような製品も登場している。

アメリカ・サンディエゴのスタートアップが開発した『Bixpy Jet』は、重量2.3キロの水中動力だ。その推力は約11〜13kg。先ほどのSCUBAJETよりもパワーは劣るが、用途の広さは負けてはいない。

動画を見る限り、海の中でも悠々と進んでいる。日本ではマリンスポーツのシーズンはもう過ぎ去ってしまったが、季節が真逆のオーストラリアやニュージーランドなどではこうした製品が流通するかもしれない。

ところがこのBixpy Jet、締め切り3日前にして目標額12万5000ドル(約1,300万円)の7割程度しか資金が集まっていない。このままでは、Kickstarterでの資金調達プロジェクトは失敗に終わる。

これはやはり、図らずもSCUBAJETと競合してしまったことが原因かもしれない。製造者にして見れば、これ以上の不運はないだろう。登場時期がずれていれば、結果は大きく違っていたかもしれない。

クラウドファンディングサイトの中でも、競争原理が働いているのだ。

 

【参考・動画】

※ Inventions, Gadgets & Gizmos: SCUBAJET, World’s first flexible water sports jet engine – YouTube

※ Bixpy Attachments – Motorize Everything – YouTube