タイム誌の 「2016年ベスト発明品」の開発者の素顔に迫る!【後編】

2016年3月ジュネーブモーターショーで発表され、世界中の注目を集めたグッドイヤーの球体のコンセプトタイヤが。タイム誌の 「2016年ベスト発明品」にも選ばれた。

従来のタイヤの概念を覆す球体タイヤの開発者・セバスチャン・フォンテイン(Sebastien Fontaine)氏素顔に迫った。
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ルクセンブルグ グッドイヤー・イノベーション・センター(GIC*L)、先進デザイン・スタジオのシニアインダストリアルデザイナーのSebastien Fontaine氏。

 

――プライベートについてお聞かせください。いまの仕事に関わるきっかけは?

私の家族もグッドイヤーのタイヤで走っています。数年前に退職した父は、長い間グッドイヤーのタイヤ開発マネージャでした。 私自身は、若いころ、ルクセンブルグ グッドイヤー・イノベーション・センターの先進デザイン・スタジオで、学生として夏休みに数週間働いたことがあります。

パリでプロダクト・デザインを専攻して工業デザインの単位を取得しながら、グッドイヤーでひき続き学生として働いていましたが、最終的にそのまま正社員として採用されました。 グッドイヤーでは、自分の情熱をそそげる仕事に出会い、やる気あふれる技術者と設計者たちと打ち込める機会に恵まれています。

――どんな子どもでしたか?

子どもの頃からデザインや新しい発想、技術や未来に魅了されていました。 美術に関するものならデッサン、絵、彫刻など、なんでも得意だった記憶があります。学校のノートにもマンガや自動車をたくさん描いたものです。数学も得意でしたが、数学の先生までもが、授業中に美術系の進路を奨めてくれたほどでした。

――好きな(尊敬する)科学者はいますか?

私はスティーブ・ジョブスが大好きです。世間はジョブスを科学者として見ていないことは承知しています。しかし、アップル社製品のデザイン性を確立して、同社の柱の一つにしました。アップル社によって、その他多く業界でもデザインの重要性が見直されるようになり、デザイナーへの認知度も高まったのです。アップル社の今日があるのも、私はスティーブ・ジョブスが道をひらいたからだと思っています。

――科学技術でひとつだけ夢が叶うなら?

科学と技術を駆使して、すでに様々な課題が解決されてきたと思います。たとえば、自動車、航空宇宙分野、エネルギー、世界の食料生産、などの分野でいろんな事が可能となり、大変わくわくします。また、今は思いつきもしないことが可能になるようなブレークスルーが、今後も出てくると確信しています。

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GOOD YEAR

 

――次代に残したいことはありますか?

今後の世代の方々に「デザインについて考える」ことを奨励したいと思います。そして、いまにもまして工業デザインを楽しんでもらい、ますます身近になることを願っています。 私は確信しています。「デザイナー」はこれからも、多種多様な分野で多くの専門家と協力する中で、市場が求める製品・サービス・ソリューションを生み出していくことを。

――生きているあいだに仕事で実現したいことはありますか?

私の目標は「デザイン」の要素すべてを駆使して、プレミアム・タイヤの開発とエンジニアリングにおける新しい考え方を確立することです。 ここ数年、グッドイヤー先進デザイン・チームは、本来は技術色が色濃いこの分野にデザイン文化を定着させました。デザイン文化を定着させるため、デザインを活用して技術的課題を克服したり、性能とデザインが両立することを提示してきました。 グッドイヤー先進デザイン・スタジオが未来の性能と品質へのこだわりの情報発信拠点として、今後も大きな役割を果たし続けられるよう、私は先進的デザイン・チームとともに努力していきます。

――どんな社会になってほしいですか?

多くの皆さん同様、私も平和で持続可能な社会を願っています。すべての人にチャンスが与えられ、人種、宗教、性別に関わらず、誰もが自己を高め、より良い社会をつくっていける世の中を切望しています。(了)

タイム誌の 「2016年ベスト発明品」に選ばれた球体タイヤが自動車社会に与えるものとは?【前編】