「次世代モビリティー」より先に、電動補助スポーツサイクルが普及するという可能性

 

「次世代モビリティー」と呼ばれるものには、大きな欠点がある。

それは「実用性・安全性が実証されていない」ということだ。もちろん、各開発メーカーは幾度も検証実験を繰り返しているだろう。試験運転もしているはずだ。だが「一般ユーザーが実際に利用した」ということに勝る検証作業はない。

今までになかったデザインの乗り物に乗れと言われて、素直に従う人は何人いるだろうか。

 

「新しい乗り物」がトレンドに

筆者が「クラウドファンディングライター」と名乗るだけの知識を有しているか否かはともかく、この仕事をしていると世界の発明家が何を夢見ているのかが大体見えてくる。

どうやら2016年12月現在のガジェットマニアは、「新しい乗り物」に熱中しているようだ。それらは技術的にも優れているし、時代の最先端を突っ切っている。そして何より、開発者の強い熱意が感じられる。

だからこそ筆者もそうした製品を紹介しているのだが、「ではそれが普及するのか?」と聞かれると簡単には頷けない。我が国日本の法律の問題もあるが、やはり「何事にも几帳面な日本人が試乗してくれるのか?」ということが先に立つ。

あまり奇抜な見た目のものは、たとえそれが合理的な製品でも試乗してもらえない可能性が高い。ならば、今現在道路を走っているものに最新技術を添加したほうがある意味で建設的ではないのか。

 

時速40kmの新型スポーツサイクル

クラウドファンディングサイト『Indiegogo』に、アメリカのメーカーFrewayが開発した『Buffalo』という自転車が登場した。これはスポーツタイプの電動アシスト車両で、今時の新製品らしくスマートフォンのアプリと連動する。すなわち、ペースメイキングや進路、現在位置、その他走行情報をスマホで一元管理できるということだ。

ただし「電動アシスト自転車」といっても、日本で発売されているものとは次元が異なる。日本の場合は「駆動補助器付自転車」という名義がつけられ、速度が時速24kmに達するとアシスト動力が停止する。だがBuffaloの最高速度は時速25マイルとある。これはメートル法に換算すれば、時速約40kmだ。

日本では間違いなく原動機付自転車と同じ扱いになるはずだが、製品自体はまったく悪いものではない。むしろこうした自転車は日本でも需要があるはずだ。現状では「電動アシスト=ママチャリ」というイメージが強いが、そもそも日本は国土の7割を山地で占める国。スポーツサイクル分野での電動アシスト車が普及しない道理はない。

 

意外な低価格

そしてよく見れば、Buffaloは驚くべき低価格で販売されている。

Indiegogo限定とはいえ、わずか999ドル(約11万5,000円)という値段だ。日本で売られているママチャリタイプのアシスト車と同じくらいの数字である。残念ながら現時点ではアメリカとカナダ、そしてメキシコのみへの販売に留まっているが、いずれは日本の市場に参入するというシナリオも否定はできない。

その際には我が国の道交法を考慮したローカライズが必要になるが、魅力的な製品の進出を妨害する者などいるはずもない。

そしてこれが、日本の道路を走る自転車の「オール電化」につながるかもしれない。

 

【参考・動画】

Freway Buffalo : Riding with Joy – YouTube

Buffalo E-bike by Freway—A Climb and the Controls – YouTube