体温を感知して作動する、未来型信号機登場

スマート・シグナル(信号機)とは

ヨーロッパ諸国内で最も大規模な貿易港を擁するロッテルダム。オランダ第2の都市と呼ばれるだけの活気に満ちているこの市でこのほど、斬新的な信号機がお目見えし話題となっている。人呼んで、「スマート(利口な)信号機」というのがそれだ。

いったい何がスマートなのか?というと、信号待ちをしている歩行者や自転車に乗った人たちの数を信号機がカウントし、一定の人数に達したと見極めたら緑(歩行)を点灯する機能が搭載されているからなのだ。

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Source:Gemeente Rotterdam

 

歩行者と自転車騎乗者数をカウントするのは、信号機の上に設置された特殊センサーである。これが、信号待ちしている人たちの手から発せられる体温を感じ取って、人数をカウントするというわけだ。

通勤者や通学者でごった返す朝のラッシュ時は、センサーが人びとの体温を感知する頻度も高まるので、信号も頻繁に緑になる。そのため、人びとは待ち時間でイライラすることなく、スムーズに歩行・通行が可能になるのだ。一般的には歩行者や自転車が道路上の交通規則では最優先されているにもかかわらず、オランダではまだまだ自動車が我が物顔で歩行者や自転車をわきに押しやっている、といった感じは否めない。しかし、こうしたセンサー付きの信号機が登場したとなれば、優先してもらえるようになることは間違いはないだろう。

 

マイカー族からの苦情?

しかし、ロッテルダム市の交通課は懸念をも示しているという。通勤・通学のマイカー族から苦情が出るのではないか?というのだ。事実、以前ならばさっさと優先的に道路を走っていた自動車が、このスマート信号機の前で2分半ほど待たなくてはならないからだ。それまでは、自動的に変わる信号のシグナルに従っていればよかったわけだが、今では歩行者数や自転車数が増えれば増えるほど、頻繁に停車しなくてはならない。

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Source:Pixabay

 

ドライバーにほっと一息を促す効果も?

それでも、このスマート信号機は役割をしっかりと果たしているようだ。大都市ロッテルダムの朝と夕の混雑時、交通渋滞をしっかりと仕切っているのは、紛れもなくこの斬新な信号機なのである。話によると、ドライバーの中にはスマート信号機のおかげでほっと一息つける人もいるのだとか。「朝はいつも急ぐばかりで、運転もイライラすることが多かった。でも、この信号機ができてからは、交差点などで人通りを眺めながら、ちょっとだけ息がつけるようになった」のだという。

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Source:Flickr

 

現在、ロッテルダム市内のロータリー式交差点をふくむ数か所で使用されているのみだが、将来的に市内の主要箇所に置かれる信号機はすべてスマート型に変えられる予定もあるという。さて、日本でこのような信号機が出現したとしたらどうなるだろう。便利?それとも待ち時間のムダ遣い、と非難されるのだろうか。

 

【参考】

※ Slimme fietsstoplichten Rotterdam meten aantal wachtenden | NU – Het laatste nieuws het eerst op NU.nl