実証映像のない「ポータブル洗濯機」にご用心!

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2年前、クラウドファンディングサイト『Indiegogo』に『Dolfi』という製品が出展された。

これは超音波で衣類の汚れを除去するという超小型洗濯機で、掌に収まるほどのサイズだった。日本円換算で1億円以上もの資金を調達したが、キャンペーン終了から2年経っても出荷の見込みが立っていない。

Indiegogo内のキャンペーンページのコメント欄は、案の定大炎上である。リファンドを要求する声が後を絶たない。そもそも、開発者は「もうすぐ出荷されるだろう」と言っておきながらFacebookでイルカ保護の話ばかり掲載しているのだから、出資者としてはたまったものではない。

「斬新な新製品」には、残念ながらこうした詐欺的なものも存在するのだ。

 

ポケットの中の洗濯機

クラウドファンディングに出てくる発明品には、プロトタイプすら存在しないというものもある。

もちろん、「これからプロトタイプを作ります」と明言しているプロジェクトもあるが、中にはそうしたことを隠蔽しながら資金を集めている開発者もいる。それを見分ける方法のひとつが、「実証動画があるのか」というものだ。

当たり前だが、モノがなければ実証もできない。Dolfiはまさにそれで、実際に衣類を洗ってどれだけ綺麗になるのかという映像がまったく用意されていない。

それを念頭に置いた上で、以下の製品をご紹介しよう。

クラウドファンディングサイト『Kickstarter』に、『WASHWOW』というポータブル洗濯機が出展された。これは活性酸素を用いて汚れを取り除くというものらしいが、コンセプトはDolfiとまったく同じである。

洗面器などに水を張り、その中に衣類とWASHWOWを入れる。あとはWASHWOWが30分かけて衣類の汚れを落としてくれるというものだ。

 

じつはすでに市場進出している?

Kickstarterでの製品提供枠では、536香港ドル(約8,000円)という設定である。Dolfiよりも安価だ。

ただし、このWASHWOWも実証動画が見当たらない。これが現実のものとして市場に出回るか否かは、筆者では予測しかねる。

ちなみに、筆者の調査によると製品出荷が頓挫しているはずのDolfiが市場に出ているという。これはどういうことかと思ったら、どうやら中国で模造品が生産されているようなのだ。

クラウドファンディング発の製品が、いつの間にか中国でコピーされてしまうという話は以前にも聞いたことがある。しかも案の定、中国製のコピー品のほうが安い。こうした面で、いくつかのスタートアップが損害を被っているそうだ。

それにしても、「中華Dolfi」とはどんなものなのか。本当に使える製品なのか、いつか試してみたい気もする。

 

【参考・動画】

※ WASHWOW: Portable Wash & Disinfect Device Without Detergent – Kickstarter

※ Dolfi: Next Gen Washing Device – Indiegogo