ロスまで6時間!NASAも主導する超音速旅客機が実現へ急旋回

機体デザインがソニックブーム低減の鍵か

NASAの開発パートナーであるボーイング社とロッキード・マーティン社が、異なったアプローチでソニックブーム低減を試みている。

まずボーイング社のアプローチは、エンジンの位置だ。従来の航空機デザインとは異なり、エンジンを翼の上側に設置するデザインを考案している。

ボーイング

実はソニックブームの低減には、エンジンの位置が重要であるという。つまり、エンジンを翼の上部に設置すれば、ソニックブームの衝撃波が上空に向かって拡散するため、地表への影響が低減できるということだ。

ただし、この方法には新たな課題が生じている。エンジンのパフォーマンスが低下してしまうのだ。

一方のロッキード・マーティン社はエンジンを3機搭載している。翼の下に2機と機体の後ろ上側に1機という伝統的とも言えるデザインだ。

ロッキード

同社では、機体の形状でソニックブーム低減を目指すべくNASAと協力している。

超音速ビジネスジェット機市場の実現が先か

旅客航空機とは別に、ビジネスジェット機と呼ばれる分野がある。公共交通用ではなく、企業や個人が使用する小型航空機の分野だ。もしかすると、このビジネスジェット機が先に、超音速で飛び回ることになるかもしれない。

米アエリオン・コーポレーション社は5月19日に、超音速ビジネスジェット機であるアエリオンAS2の構想を発表した。

アエリオンAS2

同社は2021年には超音速ビジネスジェット機の市場への投入を目指している。

同社の航空機もまた、NASAとの共同研究の成果が反映された改良が施されており、NASAの超音速への研究成果が民間に活用される例となる。アエリオンAS2はマッハ1.6で飛び、2人の乗員と12人の乗客を乗せることができる。

ダグ・ニコルズCEO(最高経営責任者)によれば、既に50件の発注内示書を獲得していることを明らかにしており、需要があることを裏付けている。

同社はソニックブームの問題を、陸上では音速を下回る速度で飛行し、洋上に出るとマッハ1.6で飛行するという運航方法の工夫で解決することで、市場への早期投入を可能にしようとしているのだ。

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