「次世代環境車の未来とは?」プリウスPHV開発責任者に聞いた 最終回

次世代環境車の未来・・・

ーーー 今後、次世代環境車はどのようになっていくでしょうか。

EVは航続距離の短さからコミューター的位置付けになると思います。バイク以上、クルマ以下といったところで、トヨタではコムスや、開発中のi-ROADがそれにあたり、そのジャンルではEVの存在感が高まります。

ーーー 日産はチョイモビを開始、ホンダも MC-βを開発中とシティコミューターEVは今後活発化しそうです。

都会では他の移動手段とどう棲み分けるか、うまく組み合わせて使っていくかが大事です。昨今カーシェアリングが注目されていますが、カーシェアの車自身が燃費のいいもの、環境車になればさらにいいでしょう。

ーーー HVやPHVが訴求できる場所はどこになりますか。

地方では車移動が基本ですがEVの50km~100kmという航続距離では足りませんから、HVやPHVが向いています。

ーーー 逆にEVが向いている場所はどこでしょうか。

島嶼部ですね。島ではガソリンが本土から輸送されてきますが、海が荒れると滞ってしまいます。そんな時でも海底ケーブルでつながっている電気はありますから、電気がいいんですね。それに島をぐるりと回っても40〜50kmくらいしかないところが多いですから、随分とEV向きです。

とはいえ停電することもあるから、そんな場合はガソリンで走りたい、となると電気とガソリンのどちらも使えるマルチソース的なPHVは最適でしょう。

ーーー そこでPHVのマルチソースが生きてくるわけですか。課題はEV航続距離ですね。

今のPHVのEV航続距離は26.4kmですが利便性を考えて、伸ばす方向で考えています。電池の値段は今後下がってくるでしょうから、その分販売価格を下げるというのもありますが、電池容量を上げ、航続距離を延ばして同じ価格で販売するのがユーザーにとって利便性が上がると思います。

現在の取り組み・・・

Facebookで「Sakuraプロジェクト」というのをやっています。

ーーー どんなプロジェクトなのですか?

環境に優しい車に、社会に優しい、という意味を付け足していきたいというプロジェクトです。

プリウスPHVなどの電動車は発電機能をもっているので外部電源機能をオプションで設定しました。PHVでは外部電源オプションの装着率は約50%程度もあります。

ーーー かなり高い比率ですね。

単純に計算すると、プリウスPHV約75万台の発電量は最新鋭発電機1基分(原子力、火力)に相当し、災害があってもこれだけの発電量があれば色々なものに応用できます。例えば停電して困るのが信号機。この信号機をプリウスPHVの外部電源機能で動かす実験を行いました。

また男性数名で24時間、プリウスPHVの外部電源だけで避難生活を行ってみました。この時1日あたりの使用電力は15kW、ピーク時は1.8kWでガソリンを5L使用しています。つまりガソリン満タンであれば9日間の避難生活が可能なのです。自分自身で災害時に発電してそれで避難生活が出来る「自助」の考え方ですが、1週間以上も生活できるのであれば、プリウスPHVが普及することで災害に強い国になれると思っています。

ーーー いわば発電機が各家庭にあるようなイメージですね。

PHVが移動だけではなく、電気の備蓄として、発電機として使えることをもっと知ってもらいたいです。

7月13日には豊田市浄水北小学校で防災訓練の一環で、体育館の非常電灯をプリウスPHVでつける活動を、8月2、3日は藤岡南中学校で 100〜200名が参加する防災キャンプにおいて、PHVの電気を使って体験してもらう予定です。

*浄水北小学校の防災訓練では、プリウスPHVが扇風機や電灯などに給電を行った。

PHV防災キャンプ

PHV防災キャンプ2

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