現在、先進国を中心に広がりつつある電気自動車(EV)の普及。
その大半は国や地域と企業がタッグを組み、充電設備のインフラ整備などを含めた政策によって、なかば強制的に普及させようとしているものだ。日本でも、カーシェアリングやタクシー、レンタカーへのEV導入が少しずつ広まり、政府は1,005億円という予算を確保して充電器の設置を進めている。
そんな中、世界ではEVを生活の道具としてだけでなく、先進的で楽しい乗り物としてとらえながら様々な活動を行っている人たちがいる。日本でのそのトップランナーと言うべき存在が、EVの普及を20年前からサポートし盛り上げてきた市民団体「日本EVクラブ」(館内端代表)だ。
これまで日本EVクラブでは、米国でのEVレース参戦をはじめ、手作りEVでの日本一周チャレンジ、一充電での走行距離ギネス記録達成、EVで様々なレースやタイムアタックなどを楽しむ「EVフェスティバル」を定期的に開催するなど、幅広い活動を行ってきた。
そして今回、日本中のEV、PHV(プラグインハイブリッド)を一堂に集め、ギネス記録にもチャレンジするイベント「白馬EV・PHVワンダーランド2014」を9月6日(土)、7日(日)に長野県の白馬村で開催する。
ギネス記録にチャレンジするのは、6日に開催される「ジャパンEVラリー白馬2014」。同じ時間・同じ場所にEVが集まった台数のギネス記録、508台を目指すというもので、国内初の試みとなる。
ギネス記録の樹立なるか
現在、そのギネス記録は2014年5月にドイツのシュツットガルトに集まった507台。そのうち200台あまりはカーシェアリングで使用されているsmartだったということで、今回のイベントではEVオーナーはもちろん、EVを所有していなくても日産や三菱の販売店で試乗車やレンタカーを借りて、ぜひ参加して欲しいと呼びかけている。
とくに、松本駅周辺はEVのレンタカーが充実しているとのことなので、環境を考える上では鉄道との併用もいいだろう。
ちなみに「ラリー」とは本来、集合・離散を意味する言葉なので、このイベントはレースや競技ではなく、全国からEVでの旅を楽しみながら白馬に集まり、その魅力を世界に向けて発信することが目的とのこと。ギネス記録チャレンジのほかにも、白馬にゆかりのある元スキーモーグルオリンピック代表選手の上村愛子氏をゲストに招くワークショップや、BMW i3をはじめとする様々なEV、PHVに無料で試乗できる試乗会などを楽しむことができる。
そして会場内には、臨時の充電器が設置されることも決定。
東京からの参加予定者に聞けば、自宅から白馬村までのルートの中で、どこで充電するかという「充電計画」を立てるのも楽しみのひとつなのだと話す。
さぁ果たして、EV508台が集まり、ギネス記録樹立がなるのかどうか。イベントの特設サイトでは現在、参加の事前申し込みを受付中だ。世界に先駆けて量産EVを発売した日本の誇りをかけて、全国のEVよ、いざ白馬へ!!