太陽光発電パネルを「透明」にしてみたら可能性がグンと拡がった

透明と発電を両立させる技術

今回開発された、発光性プラスチック材料で集光したエネルギーを太陽電池でエネルギーに変換する、という技術は以前からあった。

しかしこれまでのものは、特定の波長の光を捉えるために着色されており、エネルギー変換効率も悪かったため需要がなかったのだ。

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「色つきのガラスでは、ディスコみたいなカラフルな環境で働く様なことになってしまい、需要がないんだ」と助教授のラント氏は言う。従って「発光活性層自体を透明にするアプローチをとる」必要があるのだと言う。

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今回開発された太陽光集光器では、新たに開発された有機小分子を使うことで、特定の波長を吸収するようにできているが、その波長は非可視波長であるため、我々が目にする光景に影響を与えることが無い。つまり透明に見える。

この発光性プラスチック材料で紫外線や赤外線に近い波長だけを集光させ、他の波長に変換して薄い太陽電池の膜で電気に変換し、プラスチックの縁に流れるようにしたという。

その結果、開発された材料は可視光線を吸収しないため、人の目にはほとんど透明に見えるのだ。

また、もう一つの特徴がある。それは柔軟性があることだ。このことが実用化にもたらすメリットは大きいだろう。

後はコストの問題が解決できれば、邪魔にならない太陽電池の実用化が進められる。

期待される用途

今回開発された透明な太陽電池が実用化されれば、様々な用途が考えられる。

例えば高層ビルの様に、多くの窓がある施設での発電に役立つだろう。また、スマートフォンや電子書籍リーダー、タブレットなどの液晶表面に応用できれば、発電しながら今よりも長時間使い続けることができる様になるかもしれない。

車の窓に利用できれば、長期間乗っていないことで起きるバッテリー上がりを防ぐことができるかもしれない。

つまり、そこに太陽電池があることを意識させない使われ方が期待できるのだ。

ただ、現段階ではまだまだエネルギー変換効率が低いことやコスト上の課題を解決するのは長い道のりなのだという。

それでも、実用化されれば、広い範囲で利用される期待の技術である。

*画像出典:Solar energy that doesn’t block the view | MSUToday | Michigan State University

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