日本ではなぜドローンが普及しないのか

日本でも大事故直前

日本でも人気クワッドコプター、DJI Phantom2を使った空撮中に繁華街に墜落、一歩間違えると惨事となっていた可能性のある事故があった。この件はその後、航空法違反で書類送検されている。

航空法は基本的に一般の航空機を安全に守るために作られた法律のため、通常の場所であれば高度250m以下、空港近くの飛行区域であっても高度150m以下であれば許可は不要。今回の書類送検はこの高度を超えて飛行したことによるもので、墜落の責任や人や施設に危害を加える恐れがあったためではない。

そのため高度150m以下の飛行は比較的野放し状態となり、花火大会に突入して空撮し苦情が寄せられるなど、日本でも問題が顕在化してきている。

航空法は改定される予定であるが、これは自衛隊が東日本大震災で活躍したUAVをアメリカから導入するためのものと言われており、模型航空機についてはまだ議論にのっていない。

グレーゾーン、倫理、事故

それでは日本で模型航空機を自由に飛ばすことができるのであろうか。

航空法的に飛ばすことに許可、申請は不要であったとしても狭い国土、他人の敷地への墜落、人へ危害を加えたり器物破損した場合の責任は免れない。さらに空撮時はプライバシーの問題も発生する。模型航空機が売れているが、人の上を飛ばした撮影動画を公開すると批判が殺到するなど、人口密集地ではなかなか飛ばすことができないのが実情だ。そのため空撮のプロが商用利用するケースや一部のマニアが楽しむものといった域を脱しきれていない(参考:人気の「ラジコンヘリ」一歩間違えると違法行為に?危険な3つのケースとは | シェアしたくなる法律相談所)。

技術の発展

普及しているドローンのほとんどが海外製であることに対して、産業界では危機感を抱いている。というのも Amazonのようなドローンによる宅配が現実のものとなった場合、物流システムが一変しその経済への影響は計り知れないからだ。そのため純国産でドローン開発、商用利用しようという動きがある(参考:News & Trend – IT農業などから国内活用始まる、純国産商用ドローンが量産化へ:ITpro)。

宅配、物流に対してだけではなく人が行きにくい場所、発電所施設や高架橋の点検など極限環境下での応用も可能だ。また人手不足で悩む農業分野での活用や、人命救助で浮輪を投下するという新たな利用方法も考えられる(参考:AV Air Films – Drone Salva Vidas)。
ドローンはGPS、コンパスといったセンサー技術、姿勢制御技術、そして自律行動可能とするプログラム技術とハードウェアとソフトウェア、さらにはサービスを含めて複合的なプロダクトである。出遅れた感があるとはいえ、まだこれから始めても十分間に合う可能性が高い。

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