ギヤボックスからギヤをなくしたらメリットが多かった

過酷な条件下での使用に適している

この研究はMAGDRIVEというヨーロッパの研究プロジェクトの支援下で行われたものだ。この研究においては、宇宙空間の厳しい条件下で作動する機構と、常温で使える機構の両方の試作機を作ることが目標となっていた。

宇宙空間用には、低温用プロトタイプが開発された。これは、超伝導を用いたベアリングによって、入力軸と出力軸も接触部分をもたないフローティング式にすることに成功した。磁力は回転力を伝えるだけでなく、振動をふせいで安定性を保つことにも役立つという。マイナス210度もの低温下の真空の状況でもちゃんと回転する。

Gearless03

この低温用プロトタイプは、宇宙においてロボットアームやアンテナの支持器、火星探査車など、細かい動きが要求されるいっぽうで、オイル漏れによる汚れを避けたい部分などへの応用が期待される。現在の機構では、低い圧力と厳しい環境のもとで、そういった機器の寿命が制限されているからだ。

もうひとつ、常温で作動するプロトタイプも開発された。こちらが接触する歯を持たない変速機だ。これはより幅広く、鉄道や石油工業をはじめとする機械工業全般に応用が予想される。オイル潤滑の必要がなく、クリーンなので、特に製薬や食品、バイオ医療などの分野での活用が期待できるだろう。

これがどのくらい実用に近いものなのかはまだわからないが、ギヤボックスから歯車がなくなるというのは革命的だ。磁石が回転するというのは、それはそれでまた歯車にはない影響が出そうだが、身近なものにも活用されていく可能性も十分あるだろう。

下で動画も見ることができる。

*出典:US3M -Researchers Develop a Magnetic Levitating Gear-

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