ボーイング787もひと安心?「リチウムイオン電池」を安全にする新技術

析出した金属の貫通を防ぐ

リチウムイオン電池は、リチウムのイオンを一方の電極からもう片方の電極へと移動させることで働く。

電極間に設ける絶縁材には、リチウムイオンを通す小さな孔がないといけない。しかし、リチウムイオン電池では、電極においてリチウム原子自身が『デンドライト』と呼ばれるシダ状の構造体に析出するという現象が起こる。

このとき絶縁材の孔が大きいと、そのデントライトの先端が絶縁材の反対側にまで突き出てしまい、やがてもう一方の電極まで到達すると、ショートを起こす。

これがボーイング787のリチウムイオンの発火事故の原因だ。

それを防ぐためには、絶縁体の孔をデンドライトの先端よりも小さいサイズにすることが重要なのだという。これまで絶縁材に使われてきた膜の孔のサイズは数百ナノメートルだったが、この研究チームが作製した膜の孔は15〜20ナノメートルのサイズになる。これはリチウムイオンを通すには十分な大きさがあるが、20〜50ナノメートルになるデンドライトの先端はブロックできるサイズだ。

1ページ目から読む