我々は「後藤健二」が残した足跡の上を歩いている

“血まみれダイヤ”を紹介した人物

ダイヤモンドの生産地で行われるこのような惨状を、いち早く日本に伝えたのは誰だろうか?

他でもない、後藤健二である。

彼が2005年に出版した『ダイヤモンドより平和がほしい』は、児童書でありながら一般層にも衝撃を与えた。それまでにも紛争ダイヤモンドに関する情報がなかったわけではないが、そのことについて万人にわかりやすく、かつ生々しく書いた文献はなかったからだ。

そしてそれからすぐに、紛争を呼び起こしている資源がダイヤだけでないということが日本でも知れ渡る。

石油は予想の範囲内にしても、まさかチョコレートの原料のカカオやモバイル機器のバッテリーを作るのに欠かせないコルタンが少年兵を生み出しているということまで、ほとんどの日本人は考えも及ばなかった。

繰り返すが、それらの情報は以前からあった。それに対する気づきを、後藤氏は与えたのだ。これをイノベーションといわずして何と表現するべきか。

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先述の書籍が出版されて以降、日本でも“フェアトレード”という単語を耳にする機会が増えた。給料3ヶ月分の値段で買うこの商品は果たしてどのような経緯をたどっているのだろう、という意識が少しではあるが、確実に日本人の習慣として定着している。

カラシニコフ銃でむしり取ったものではない、健全な生産過程が確認された商品はそれ自体がブランド価値を持つようになった。“紛争ダイヤモンドの排除”が、新しいビジネスを誕生させたのだ。

我々は後藤健二が残した足跡の上を歩いているのである。

 

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