子どもの未来を食らう魔女 「負のイノベーション」と対峙する

魔女の弱点

彼のイノベーションが生み出した魔女は、今も地獄の大鍋を炊き続けている。

我々人類は、魔女に打ち勝つための新たな一手を創造する必要に迫られている。ではその一手がすでにあるのかといえば、残念ながらまだない。

だが、その方法論だけは確立している。

世界では今、国連機関や各NPO法人などがDDR(Disarmament, Demobilisation ,Reintegration)というプログラムを紛争当事国で実施している。これは端的に言えば、ゲリラ兵の武装解除と彼らへの職能訓練を一元化するというものである。「文盲のゲリラ兵に基礎教育を施せば、銃は必要なくなる」というのがDDRの趣旨だ。

この発想は、よく考えればカラシニコフが東部戦線でひらめいたそれとほぼ一緒である。彼は「文盲の兵士でも扱える銃を」ということを常に考えた。ならば、兵士に教育を施してしまえばいい。読み書きすらできなかったゲリラ兵が本を読むようになり、物事を考えるための視野が広がれば二度と銃を取らなくなるはずだ。

魔女の弱点は、すでに発見されているのである。そしてこの魔女が、決して不死身ではないということも。子どもたちの手から『AK47』が消え去る日、それはとある一人の老人の魂が救われる日でもあるのだ。

 

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