3.11から4年…「宇宙線ミュオン」が原子炉内部を明らかにする!

素粒子ミュオンとは

はじめに、聞き慣れない『ミュオン透過法』について学んでいこう。

ミュオンとは別名ミュー粒子とも呼ばれる素粒子で、物質を形成する12種類の素粒子の一種である。宇宙線が地球の大気と衝突する際に発生し、地表においては手のひら程度の面積で毎秒1個ほど降り注いでいるそうだ。

X線をもはね返す岩盤なども透過する性質があり、近年では火山のマグマや空洞といった内部構造の画像化にも使われている。

 

約1ヶ月の計測期間を経て評価へ

今回の調査では、このようなミュオンの性質を利用した『ミュオン透過法』によって、レントゲンのように炉内を映し出すことが目的だ。測定器には光ファイバーが張り巡らされ、ミュオンが当たると光る仕組みになっている。

残燃料のような密度の高い物質を通り抜けたミュオンの粒子数や軌跡をデータとして計測し、残燃料の量と位置を評価する。検出器自体も放射線の影響を受けにくくするために、遮へい用の鉄で覆われている。

2015年2月15日にIRIDが発表したレポートでは、このミュオン計測法による調査は既にスタートしているようだ。約1ヶ月の測定期間が必要になるものの、上手くいけば原子炉内に残燃料の分析と評価によって取り出しに向けた次のステップへと移行できる。

今後は遠隔操作のロボットなども利用しながら、格納容器内部のさらなる調査を実施予定という。なお、2号機の測定に関しては、2015年10月頃を目途にIRIDの組合員でもある東芝が『ミュオン散乱法』によって測定開始見込みである。

 

テレビや新聞では大きく報道されることが少なくなってきた福島第一原子力発電所のいま。あの日の記憶を風化させないために、そしてこれからのエネルギーのあり方について考えるためにも、我々は目を見据え続けなければならない。

 

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【参考】

原子炉内燃料デブリ検知技術の開発 設置作業の進捗報告(PDF) – 東京電力

「福島第一原子力発電所」の現状と廃炉に向けた取り組み(PDF) – 廃炉・汚染対策福島評議会

「ミュオン透過法」測定器の製作ならびに海外レビューの実施について – 国際廃炉研究開発機構

ミュオン透過法」による炉内状況調査の開始について – 国際廃炉研究開発機構

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