「ミドリムシ」が地球を救う!栄養豊富すぎるスーパーフード

栄養満点すぎて菌やバクテリアに狙われる?

「植物と動物では、それぞれ含まれている栄養素は全く異なっており、人が健康的に生活していくためには両方の栄養素が必要です。

植物は光合成をし、自らビタミンC(アスコルビン酸)を作り出しますが、もちろん歩いたりしません。動物は、動物性たんぱく質やアミノ酸が含まれていますが、光合成はできません。

これは遺伝子レベルでそうなっているので、両方持ち合わせるなんて、そんな都合のいいものはなかったのです。そんななかミドリムシはいわば“動く植物”で、植物と動物の両方にまたがって栄養素を生産できるのです」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ミドリムシの培養は、1980年頃から様々な大学や研究室で実験されてきた。日本の将来の食料問題などを視野に入れ、栄養満点な食べ物を探す必要があったからだ。しかし、どうしても培養できなかった。それはなぜか。

「ミドリムシは栄養が豊富なので、菌やバクテリア、酵母からすると、ミドリムシが一番おいしいんですよ。他に食べ物があったとしても、みんなミドリムシを食べてしまう。

つまり、常に周りから狙われているので培養が困難となります。そういった理由で、20年間、大量培養が滞っていたのです」

栄養が豊富すぎるがゆえに、それがウィークポイントとなる皮肉。しかしなぜ、ユーグレナ社だけが成功したのだろうか。

それまでは、天敵でもある菌やバクテリアからミドリムシを守るために、いわゆる防御壁を作っていたそうだ。夏の煩わしい蚊から身を守るための“蚊帳”のようなイメージで、これを“蚊帳方式”とユーグレナ社は呼んでいる。

天敵から守るために、幾重にも蚊帳を用意していたのだが、それは蚊帳を増やす分だけコストがかかり非効率的。また全てを防ぎきれないということもあり、失敗が続いたそうだ。

そこでユーグレナ社は、蚊帳がダメなら“蚊取り線香”、つまり他の生物が生きられない環境を作り出す、という発想の転換でミドリムシを天敵から守ることに成功したのだ。

1ページ目から読む