気候変動問題のカギを握る「悪名高き」巨大企業は生まれ変わるのか

インドネシアの問題から世界の問題へ

そこに救いの手を差し伸べたのが、国連だ。折しもパン・ギムン国連事務総長は、自らが提唱した気候変動問題に対するイニシアチブにおいて、インドネシアを最重要国家として位置づけた。

NYでの気候変動サミット開催直前にもインドネシアを訪れ、政府首脳や経済界の重鎮と会談。また同国の教育界首脳とも会合を開き、国家規模での環境教育の推進を図ることを確認。

その後バリ島にある環境・社会問題に特化した学校グリーンスクールを訪問し、REDD+(途上国における森林減少と森林劣化からの排出削減並びに森林保全、持続可能な森林管理、森林炭素蓄積の増強)プログラムとグリーンスクールの協働を仲介。国連のバックアップの下、インドネシア中の学校で環境問題に関する授業を行うことが決定した。

インドネシアが経済成長と同時に環境保全を実現させるモデル国家として、世界の新興国をリードすることの意義は非常に大きいだろう。

APP会長をサミットに招き、世界が注目するなかで『森林に関するニューヨーク宣言』に署名するようパン・ギムンが図ったのも、もちろん国連とインドネシア政府との共同歩調の確認があってのことだ。

またシナルマスは、ジャカルタ郊外に現在も建設が進む新興都市BSD内にある同グループ幹部社員の子弟向け学校Sinarmas World Academyにおいて、ICT教育を促進し、いち早くペーパーレス教育の実験を始めた。

APPが大きな生産拠点をもつ中国との結びつきも一層強化され、北京大学をはじめ、中国トップクラスの大学との関係強化も打ち出された。大きな社会問題になりつつある環境問題に取り組まざるを得ない中国での大規模な環境改善事業開始に向けて、環境規制などに大きな決定権を持つ国連や政府機関、様々な研究機関やNGOなどに同校から多くの人材を送り込もうと狙う。

かつては環境破壊の代名詞ともされて、世界に悪名を轟かせたAPPとシナルマス・グループは、環境・気候変動問題をリードする存在になれるだろうか。

 

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ウレット・イファンサスティ – 国際環境NGOグリーンピース

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