ナミダは操れる!ドライアイから解放してくれる涙腺インプラント

次々と出資を獲得して事業を推進

その年度の後半には、スタートアップ・コンペティションで3万2,000ドルの出資を獲得することにも成功し、Ackermann博士は翌年もスタンフォード・バイオデザインのプログラムに参加することができた。そして、その2年目の期間中にOculeveという会社を設立し、涙を分泌させるためのデバイスを市場向けに開発する決意をした。

その会社はシリコンバレーのベンチャー・キャピタル(投資会社)の目にとまり、10万ドルの資金を獲得し、動物実験用のプロトタイプを製作することが可能になった。その後、彼らはさらに投資家から7,600万ドルの出資を約束され、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコで臨床試験を開始することが可能になった。

そして2014年には、追加で1億6,600万ドルの資金を得て、ヨーロッパやカナダで認証を得るためのコストと時間のかかる作業が可能になったという。まさに、大学の研究機関から大きなプロジェクトへと成長したサクセスストーリーの途中なのだ。

 

実際のところ、日本人の感覚だったら変なデバイスを埋め込むよりも「こまめに休息をとろう」という精神論のほうが馴染みやすい気がする。欧米ではどうなのだろうか? 個人的には、本当にこんなデバイスが成功するかどうかには大いに疑問が残る。

しかし、新しいアイデアを形にして起業をしようという強い意識、可能性を感じたらそこに投資しようという強い意識の点で、日本とは大きく違いを感じさせるエピソードだ。ビジネスも研究も国際的になってきている現在、日本人の研究者やエンジニア、投資家は、以前と考え方を変えたほうがいいのかもしれない。

もっともこうして“未知のモノ”に対して大きな額が動くようになった場合、のちに大きな欠陥が発見されても隠蔽されたり、ゴリ押しされたりするリスクは増すかもしれない。周囲からの影響力が大くなりすぎるからだ。いずれにしろ、日本人から見ると示唆に富むストーリーだ。

 

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【参考・画像】

※ A real tear-jerker: Team creates device to alleviate dry eye -Stanford School of Medicine

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