次世代カーの新しい選択肢!世界初の低圧電気自動車「QUANTiNO」

高性能なフロー電池で動く自動車

ここでナノフローセルについて少し紹介しておこう。ナノフローセルとはレドックス・フロー電池の改良版だ。レドックス・フロー電池そのものはそれほど新しい技術ではない。2種類の電解液を、イオン交換膜で区切られたふたつのタンクに入れる。それぞれのタンクから電極に電解液をポンプで送ると、片方の電極では酸化反応、もう片方では還元反応が起き、電気が発生するというものだ。

レドックス・フロー電池は充電池なので、放電だけでなく充電もできる。劣化が少なく、寿命が長い、メモリー効果がないなどのメリットがあるいっぽうで、出力密度やエネルギー密度が低いという欠点があった。大きなパワーを出したり、多量の電力を貯めるには、大型になりすぎてしまうのだ。

しかしこのナノフローセル社では、イオン電解液を高濃度化し、出力密度、エネルギー密度を高めることに成功した。これによって自動車に搭載することが現実的になったのだ。ちなみに『QUANTiNO』は175リットルの電解液タンクを2個搭載している。

このフロー電池は、電解液を交換してしまうことでもフル充電状態にできるという点がユニークだ。通常の電池のように充電できるいっぽうで、給油に近い方法で電解液を交換すれば短い時間でフル充電にできる。これは外出先で充電する際には現実的であり、またインフラの整備に関しても、水素ステーションなどより簡単だ。

Nanoflowcell / QUANT / Salon International de L`Automobile Geneve 2015

そしてなにより、48ボルトという低電圧であるということは安全にもつながる。高電圧の自動車では、感電やフラッシュオーバーの対策が非常にシビアに求められることになるが、低電圧のクルマではそれほどでもない。EVの国際規格『ECE-R 100』に従っても、特別な対策を追加する必要はないレベルなのだ。これは公道走行の認可のとりやすさにつながる。

いっぽう、低電圧で十分な出力を出そうとすると、大きな電流が必要になる。そのためには、ケーブルを太くする必要があったり、送電ロスが大きくなったりというデメリットが生じがちだが、この『QUANTiNO』では、ナノフローセル機構を使うことでその問題を解決できたという。

ナノフローセルl社は自動車を手がけているものの、この『ナノフローセル』機構を使ったフロー電池を様々な用途に応用していく計画を立てている。自動車にかぎらず、エネルギー問題の大きな課題として、電力の保存や輸送というテーマがある。このナノフローセルは、高性能な蓄電池として有力な解決策となるかもしれない。

 

【関連記事】

※ 航続距離は600km!塩水を循環して発電するスーパーEVの実力

※ 360度カメラで家を守り、リモコンにもスピーカーにもなるお洒落な球体

※ 1インチの立方体に8つの機能!スマホライフを助ける「WonderCube」

※ 早期発見が命を救う!わずか1時間でガンを検出するデバイス

※ ストーカーか!? 位置情報を監視するドライブレコーダー「DrivePro 220」

【参照・画像】

※ QUANTiNO – NANOFLOWCELL

 

1ページ目から読む