ちょっとヤバい「タバコモザイクウイルス」が発電所の効率UPに貢献するかも

ウイルスが表面コーティングを行う

『タバコモザイクウイルス』は、シンプルな一本鎖RNAを持つウイルスだ。実はマッカーシー博士は、メリーランド大学での研究者時代にバッテリーの電極のナノ構造体に使って以来、この“タバコモザイクウイルス部隊”を活用していた。そして独自に遺伝子操作をした『タバコモザイクウイルス』も育てている。

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彼独自の『タバコモザイクウイルス』は、様々なものと化学的に結合する性質を持っている。たとえば、ステンレスやアルミ、銅、金、シリコン、ポリマー等と結合することができるのだ。そして、対象物と結合した『タバコモザイクウイルス』は、その表面に強固なヒゲ状のナノ構造体の層を形成する。コーティングには電力も動力も熱も、特別な設備も必要ないという。

一度コーティングされたら、そのウイルスは不活性になる。そしてマッカーシー博士いうところの“金属の芝生”を形成するのだ。この“芝生”が毛細管現象を起こして、熱交換器表面に蒸気が発生しても液体を引き込み、液体に熱を伝え続けることで熱交換効率を向上させる。そうやってCHFの発生を遅らせることができるのだという。

予備テストにおいては、このコーティングを施した表面では、CHFの発生が240%も増加した。これはCHFが発生するまでの最大熱交換比が、コーティング前の表面と比べて3倍にもなったことを意味するという。さらに、沸騰工程においてもこの“金属の芝生”コーティングが、コーティング前のものと比べて3倍の効率を示す結果が得られた。

沸騰における熱交換の原理の研究というだけでなく、この技術は将来の新しい熱交換器の設計や高性能な熱管理システムに適用することもできます。あるいは、ウイルスによって自律形成されるナノ構造体によって、低コストで既存のシステムをより効率のよいものに改良することもできるでしょう。

とマッカーシー博士はいっている。

エネルギー効率を高めるソリューションは熱交換器の表面という意外なところにも存在していたようだ。ひょっとすると将来の熱交換器はみんなウイルスの手助けで製造されるようになるのかもしれない。

 

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【参考・画像】

※ Using Viruses To Help Water Blow Off Steam – Drexel University

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